音楽の秋を彩る特別な共演
2025年11月11日、神奈川県立音楽堂にて開催された「第37回 ダ・カーポ コンサート 〜秋の収穫祭 グレープを添えて〜」。半世紀の歴史を持つフォーク・デュオ、ダ・カーポが、1973年にデビューした盟友グレープ(さだまさし氏、吉田政美氏)をスペシャルゲストに迎え、約1000人のファンを熱狂させました。音楽の秋を感じさせるこの特別なコンサートは、長い音楽キャリアを持つアーティストたちの情熱に満ちていました。
第一部:ダ・カーポの優しい旋律
15時に開演したコンサートの第一部は、ダ・カーポの榊原まさとし、榊原広子、榊原麻理子による演奏で始まりました。彼らは故郷や地域に根ざした楽曲を中心に披露し、「よこはま詩集」「横浜縁日一六地蔵」「赤い靴」など、横浜にちなんだ曲が続きます。暖かいハーモニーと繊細なギターの音色は、音楽堂の空間に優しく響き渡りました。また、榊原麻理子によるフルート演奏で「とおりゃんせ」「アヴェマリア」といった品格ある楽曲も演奏され、観客たちを魅了しました。ポジティブなメッセージを届ける「Memeのワルツ」で締めくくり、第一部はその温かい調べで幕を閉じました。
第二部:夢の対決、時代を超えた名曲たち
20分の休憩後、会場の期待が最高潮に達する中、登場したのはグレープ。さだまさし氏と吉田政美氏の二人がステージに上がると、割れんばかりの拍手が湧き起こりました。さだまさし氏は故郷長崎の景色を描いた「紫陽花の詩」を披露し、瞬時に高揚感を生み出しました。続いて、情感豊かな「蝉時雨」、彼らのデビュー曲「雪の朝」が演奏されると、観客はそのバックグラウンドに感動しました。「殺風景」、「縁切寺」なども披露され、名曲の数々で会場は一つになりました。
後半では、参加者たちがそれぞれのキャリアで培った音楽を共同で演奏し、「不良少女白書」、「無縁坂」、「結婚するって本当ですか」の名曲では、友情と信頼の強さが感じられました。1973年に同時に音楽活動を始めた二組の強い絆は、ただの懐かしさでなく、成熟した音楽の姿を象徴していました。
アンコール:感動を未来へ
コンサートのクライマックスであるアンコールでは、全員が再登場して観客の熱気に応えました。さだまさし氏が作曲した「人生の贈り物」を全員で演奏し、さらにダ・カーポの代表曲「野に咲く花のように」で感謝の気持ちを表しました。二組の暖かい歌声が融合し、感動を共有する瞬間はまさに「秋の収穫祭」の名にふさわしいものでした。
結び
50年を超えてなお活動を続けるダ・カーポとグレープの情熱が一夜の中で見事に結実しました。当日は、互いの友情と音楽への深い愛情を改めて確認することができる、心温まるひと時となりました。ファンにとって、記憶に残る素晴らしい瞬間でした。