画像診断で整備品質を向上
昨今、自動車整備業界では多くの課題が浮き彫りになっています。特に、ブレーキパッドの状態を確認するためには、タイヤ脱着など手間のかかる作業が必要な場合が多く、その結果としてエビデンスに基づく交換の必要性を伝えるのが難しいという問題がありました。そんな中、株式会社アドヴィックスと株式会社スマートドライブが共同開発した新サービス「BRAKEPAD SCAN powered by ADVICS」が注目を浴びています。2026年2月より提供が開始されるこのサービスは、ブレーキパッドの残量を簡単に可視化することを目指しています。
開発の背景
従来の点検方法では、見落としや機会損失が発生しやすいという課題がありました。アドヴィックスはブレーキパッドの開発に長年の経験を有し、その技術力を最大限に活かすことで、これらの問題を解消しようと考えました。スマートドライブとの協力により、画像解析技術を用いて車両の「見えない部分」を可視化し、客観的なデータに基づく整備提案が可能になるサービスを実現したのです。
サービス概要
「BRAKEPAD SCAN」の利用方法は非常にシンプルです。専用のハンディカメラをスマートフォンに接続し、ホイールのすき間からブレーキパッドを撮影するだけで、画像解析技術により残量を数値化します。この方法であれば、タイヤ脱着が不要となり、整備士の負担が軽減されるだけでなく、正確な整備が可能になります。
その具体的な特徴には以下のような点があります:
1.
作業負担の省力化
- タイヤを外さずにブレーキパッドの点検ができるため、整備士の身体的な負担が大幅に軽減され、作業効率も向上します。
2.
整備品質の均一化
- 経験や勘に頼ることなく、画像解析によって正確なデータを提供し、整備品質が向上します。
3.
透明性の向上
- エビデンスに基づいたブレーキパッドの状態を顧客に明示することで、信頼性が増し、顧客満足度も向上します。
このように、「BRAKEPAD SCAN」は整備の透明性を高め、顧客に安心感を与えるツールとして機能するのです。
今後の展開
サービス開始後は、整備工場やガソリンスタンド、新車・中古車販売店向けに展開していく予定で、初期ユーザーからのフィードバックを基にさらなる改善も図ります。2026年2月12日から14日まで東京ビッグサイトで開催される「第23回 国際オートアフターマーケット」において、実際に製品を体験できる機会も設けられるので、興味がある方はぜひ足を運んでみてください。
まとめ
アドヴィックスとスマートドライブが手掛ける「BRAKEPAD SCAN」は、今後の整備業界において重要な役割を果たすことでしょう。技術の進化により、より安全で効率的な車社会の実現に向けた一歩が踏み出されました。両社は今後も革新的なサービスを提供し、車両整備の新しいスタンダードを築いていくことでしょう。