神田外語大学がAIエージェント「Aconnect」を全学導入し新たな学びを創出

神田外語大学が全学導入したAIエージェント「Aconnect」の意義

神田外語大学は、生成AIを活用した教育の最前線を切り開く新たな一歩を踏み出しました。ストックマーク株式会社が提供する情報収集・活用AIエージェント「Aconnect」が、2025年度より同大学に全学で導入されることが発表されました。この取り組みは、学生の主体的な学びを促進し、世代や国を超えるコミュニケーションを育むことを目指しています。

全学導入までの経緯

「Aconnect」の導入のきっかけは、グローバル・リベラルアーツ学部の石井雅章教授によるもので、最初は2022年度に同学部で試行されました。この試行では、学生が多様な情報源にアクセスして思考する機会を提供することが主な目的でした。実施にあたっては、授業やゼミの場面で「Aconnect」を使った情報収集が行われ、その結果、情報収集の効率化だけでなく、学生間の議論が活性化し、主体的な学びが強化されていきました。

試行の成功を受け、外国語学部でのゼミの必修化を契機に、全学への展開が決定されました。これにより、AIを用いた新たな学びのスタイルが、神田外語大学全体に広まっていくことになります。

生成AI時代の学びの革新

現代において、生成AIは誰もが瞬時に多くの情報にアクセスできる手段となっていますが、その中で求められるのは情報の真偽を問い、多角的に思考する能力です。「Aconnect」を利用することで、学生は情報を単に受け取るだけでなく、批判的に思考する方法を体系的に学ぶことができます。

1. 主体的な学びの促進
学生は、グローバルな情報にアクセスし、それをもとに自ら質問を立て、探求を進めることが期待されています。即ち、情報を鵜呑みにせず、自分の目で独自の視点を持つことが求められています。

2. 論理的思考力の強化
「Aconnect」を利用することで、収集した情報を「事実」と「推論」に分類し、整理する訓練を行います。これは、情報に左右されず、しっかりとした論理的思考を持つための基盤を作るものです。

3. 知の共創体験の提供
同じ情報を元に、学生同士での議論を重ねることは、新たなアイデアや発見を生み出す土壌となります。これは、他者との協力を通じて新しい価値を生み出す能力を育むものです。

教育界からの期待の声

関係者からは、導入による学びの変革に対する高い期待が寄せられています。石井教授は「『Aconnect』の導入により、学生たちが自らの意見や提案を見出し、主体的に学びを深める姿が見られるようになった」と語ります。このプロセスは、学生同士の議論を活性化し、より深い学習体験を提供することに貢献しています。

ストックマークのCPO、田中和生氏も「この知の探究プロセスは、学生が未来の社会で必要とされる力を育むための重要な要素である」と強調しています。

これからの方向性

神田外語大学での「Aconnect」の全学導入は、生成AI時代における学び方の新しいモデルとして位置付けられます。アカデミアでの成功が、産業界でも新しい価値創造につながることが期待されており、今後の展開が注目されます。教育効果の最大化を図るため、神田外語大学との連携をより深めていく計画です。この取り組みが、多くの学生と産業界の間の架け橋となり、持続可能な社会の発展に寄与することが期待されます。