ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパンの発表
昨年、ケリングがスタートした「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」は、サステナブルなファッションとビューティ業界において持続可能で革新的な解決策を探るためのプログラムです。このアワードは、環境と社会にポジティブな影響を与える新しいビジネスアイデアを求めており、今年は120社を超えるスタートアップと研究者からの応募がありました。その中から選出された上位11社が注目されています。
ケリングによるこのプログラムは2つのグループに分かれており、グループAは代替原材料や製造工程、グループBはリテールと消費者エンゲージメントにフォーカスしています。
上位11社の紹介
グループA
- - 株式会社アルガルバイオ: 藻類を用いた持続可能な原料の開発に取り組んでおり、化粧品やファッションの分野での応用が期待されています。
- - AMPHIBIO LTD: PFASフリーの機能性透湿防水テキスタイルの開発を通じて、アパレル業界の環境問題を解決しています。
- - Synflux株式会社: AIと3Dシミュレーションを活用し、環境に優しいファッションを実現するデザインエンジンを開発しています。
- - FiberCraze株式会社: ナノテクノロジーで社会課題を解決する高機能性素材を開発。
- - 株式会社ファーメンステーション: 発酵技術を駆使し、未利用バイオマスを新素材に変える循環型ビジネスを展開。
- - マイクロバイオファクトリー株式会社: サステナブルな化学品の製造に着手。
グループB
- - 株式会社ARCHIVESTOCK: リユースファッションのプラットフォームを運営し、文化的価値を大事にしたファッションの流通を促進。
- - 株式会社comvey: 繰り返し使える包装材の開発で、EC業者の環境負荷を軽減。
- - 株式会社STANDING OVATION: AIを活用したオンラインクローゼットで、循環型ファッションを提案。
- - 株式会社Spacewasp: 安全で持続可能な内装空間を植物廃棄物から作り出します。
- - 株式会社モーンガータ: 大手化粧品企業との協業で、余剰化粧品資源のアップサイクルを実現。
これらの企業は、共通してサステナビリティを重視し、持続可能な発展を目指しています。選ばれた11社は、CIC Instituteからのメンターシップや特別講座を受けた後、来年の11月8日にはファイナルピッチに参加します。このイベントでは上位3社が選出され、特典としてヨーロッパ研修の機会や賞金が贈られます。
ケリングの取り組み
ケリングはサステナビリティに対する取り組みを強化しており、その基本理念は「Crafting Tomorrow’s Luxury」というビジョンのもとにあります。この理念は、環境に優しいラグジュアリーの創造を目指しており、リソースの消費削減や社会的責任の遂行を重視しています。特に「ケア」「コラボレート」「クリエイト」という3つの柱を据え、持続可能な商品開発を行っています。2023年には新たに温室効果ガスの排出削減目標を発表し、持続可能な未来の実現に向けた努力を続けています。
今後、ケリング・ジェネレーション・アワードが生み出す革新的な企業やビジネスモデルに期待が寄せられています。2050年までの環境目標の達成に向け、これらのスタートアップが示す道筋は、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。