次世代セキュアAI基盤の実現に向けた特許出願
イージス・アプリケーション株式会社、ZenmuTech、Technica AIの3社が共同で進めている次世代セキュアAI基盤の特許出願が注目されています。この基盤技術は、機密情報を効果的に保護しつつ、安全なAI活用を支援することを目的としています。特許は2026年3月12日に出願済み(特願2026-39556)で、防衛、官公庁、金融、医療、製造業など、高いセキュリティが求められる分野への導入を目指しています。
背景:生成AIとRAGの課題
近年、社内業務でのAI利用が急速に進む中で、特にRAG(検索拡張生成)を活用した文書検索が注目を集めています。しかし、従来の方法ではデータ漏洩や暗号鍵管理、内部不正といったリスクが懸念されてきました。そこで、今回の技術がどのようにこれらのリスクを軽減するかに焦点を当てます。
3つのデータ保護機能
特許出願中のこの技術は、秘密分散エンジン「ZENMU Engine」に基づく秘密分散技術とRAGを組み合わせたものです。以下の3つの主な機能があります:
1.
ストレージへの無意味化と分散保管:機密データは無意味な分散片(シェア)に分割され、物理的に離れたサーバに保管されます。これにより、1台のサーバからデータを流出させても復元できない設計になっています。
2.
オンメモリ復元と即時消去:AIが回答を生成する際に必要なデータは、メモリ内でのみ復元され、処理が終わったらすぐに消去されます。このプロセスにより情報の痕跡を残しません。
3.
プロンプト・回答の保護:AIへの質問や回答、根拠となるデータも秘密分散化されて保存されるため、過去の利用履歴からの情報漏洩リスクが軽減されます。
技術の優位性とナレッジ・セキュリティの確立
この技術は、「ナレッジ・セキュリティ」を実現し、企業がAIを活用する際の安全を確保します。物理的な分散のおかげで、従来の暗号化技術の弱点である鍵の盗難リスクを克服しています。また、データの改ざんに対する耐性も向上し、内部の不正行為を防ぐための機能が強化されています。
今後の展望
本システムの安全性評価は、2026年4月から国立研究開発法人産業技術総合研究所によって行われる予定です。将来的には権利化に向けた具体的な手続きを進め、プロトタイプの公開や先行導入に向けた実証実験を通じて、社会実装へと向かっていきます。
会社概要
- - イージス・アプリケーション株式会社:千葉県流山市に本社を配置し、AI導入に関するコンサルティングや支援を行っています。
- - ZenmuTech:東京都中央区に所在し、秘密分散技術を基にした製品の開発・販売を手掛けています。
- - Technica AI:東京都千代田区で、データサイエンスやAIに特化したプラットフォーム提供し、企業の成長をサポートしています。
この新技術は、機密情報をより安全に扱うための重要な一歩と言えるでしょう。