使用済み紙おむつから生まれる新しい緑化の形
東京都渋谷区に本社を置く東急建設株式会社は、株式会社東急モールズデベロップメントと協力し、地域密着型商業施設「青葉台東急スクエア」の屋上にて、使用済み紙おむつと昆虫を活用したオーガニック培養土の植物育成実験を行っています。この実証実験は、東急建設の社内新規事業コンテストで選ばれた「地球動物園」という事業アイデアから発展したものです。
1. 実験の目的と概要
この研究の目的は、使用済み紙おむつを再利用して栄養価の高い培養土を生産し、その土壌で植物が正常に育つかどうかを検証することです。実験は2024年5月から開始され、約2年間かけて行われる予定です。実験では、19種類の肥料配合比率が異なるプランターに「クラピア」という緑化植物を植栽し、植被率を定期的に測定して評価します。最近、1回目の越夏が終わり、実験に使用したオーガニック培養土の結果が、通常の培養土と同程度であったことが確認されました。
2. 実験結果と今後の計画
実験の結果、使用済み紙おむつを基にした培養土でも植物の成長が見込めることがわかりました。この成功を受けて、東急建設は2030年度を見据え、商業施設の屋上緑化や河川・鉄道法面緑化への応用を検討していくことが決まっています。
3. 企業の取り組みと課題
東急モールズデベロップメントは、商業施設の運営を通じて地域の価値向上に貢献しています。「廃棄物を利用した緑化事業」という本プロジェクトに賛同し、青葉台東急スクエアを実験場所として提供しました。今回の実証実験は地域社会との連携を深め、持続可能な未来を目指す活動の一環です。
今年度の目標として提唱されているのは、「子どもの笑顔をつくる」「循環型社会の実現」「脱炭素社会の推進」の3つです。これらのテーマに基づいて、地域と共に持続可能な開発を進めていく方針です。
4. 結論
本実証実験は、使用済み紙おむつを利用したオーガニック培養土の可能性を広げる画期的な取り組みです。今後、実験から得られた知見を基に、さらなる研究と開発が進むことが期待されます。東急建設と東急モールズデベロップメントは、事業化に向けて今後も協力を続けていくとしています。このような取り組みが、より環境に優しい社会の実現に寄与することを願っています。