冷凍保存の新たなトレンド
クックパッド株式会社が実施した調査から、野菜の冷凍保存に関する検索が10年間で大幅に増加していることが分かりました。この急増は、特に食品ロス削減月間に合わせて注目すべき動向です。
2015年と比較すると、小松菜やナス、ゴーヤなどの冷凍保存に関する検索は平均約17倍増え、ゴーヤに至っては約37倍という驚異的な増加を見せています。この背景には、家庭での野菜の消費が難しくなっている現実があるといえます。「まとめ買いしたけれど使い切れない」「いただき物が多い」「家族全員が集まらない」といった理由で、多くの家庭が野菜の使い切りに苦戦しています。こうした状況に対し、冷凍保存という新たな選択肢が広がっているのです。
食品ロス削減の意識と検索動向
10月は食品ロス削減月間であり、全国で取り組みが進められています。日本全体で年間464万トンの食品ロスが発生しており、そのうち家庭からのロスが半分近くを占めているのが現状です。実は、2000年と比べると食品ロスの全体量は約53%削減されているものの、家庭での削減進捗は46%にとどまっています。家庭の冷蔵庫における野菜の廃棄理由として「使い切れずに傷んだ」という事例が多く、その解決策として冷凍保存が注目されているのです。
家庭での冷凍保存が増えている理由
共働き世帯が増加し、家族のライフスタイルが変化する中で、家庭の食事のタイミングはますます合わなくなっています。その結果、冷凍保存を活用することで、傷む前に野菜を保管する手法が見直されてきました。1000人を超える利用者がいる「たべみる」というデータサービスによると、従来冷凍には適さないと考えられていた野菜の冷凍保存検索が、この10年間で大幅に増加しています。特に2024年から2025年にかけての間、ナスやゴーヤの検索数の増加が顕著です。
冷凍保存の利点
冷凍野菜は、忙しい現代の家庭にとって非常に便利な存在です。特に季節の変動に伴う野菜価格の高騰を受けて、安い時期にまとめ買いして冷凍保存する手法が普及しています。「冷凍すると野菜が美味しくなる」という声も多く寄せられており、ナスが冷凍されることで組織が壊れ、味が浸みやすくなるなどのメリットがあります。また、インゲンやゴーヤは冷凍によって調理が簡単になり、手軽に料理に使用することが可能です。このように、冷凍保存は単なる食材の保存だけでなく、調理の時短や手間削減にもつながるため、多くの家庭に受け入れられています。
未来の食卓に向けた知恵
冷凍保存は単なる保存方法ではなく、現代の忙しい家庭において「時間を保存する」技術でもあります。共働きが当たり前の今、夕食時間がずれたり、急な用事が入ったりすることは珍しくありません。このような状況の中で、冷凍した野菜を使えば、いつでも簡単に調理することができます。
クックパッドは、料理と技術を融合させることで、家庭料理をもっと身近で楽しめるものにしたいと考えています。冷凍保存の知識を多くの家庭に広めることで、食品ロスの削減や、便利な生活をサポートする活動を続けていきます。これからも、家庭の食卓で役立つ「野菜の冷凍保存レシピ」を紹介して参ります。私たちの取り組みが、食品ロス問題に対する意識を高める一助となれば幸いです。