埼玉県立川の博物館の春期企画展「麦の国さいたま」
令和7年2月8日(土)から5月6日(火・祝)まで、埼玉県立川の博物館にて春期企画展「麦の国さいたま」が開催されます。本展は、埼玉県における麦の生産や消費の重要性を改めて知ることができる内容となっています。
埼玉県の麦の魅力
埼玉県は全国で8位の麦の収穫量を誇っています。特に、和風めんの出荷額は全国一位(令和5年統計)であり、この地での麦づくりは非常に盛んです。展覧会では、麦づくりに関するさまざまな側面が紹介され、麦の歴史や栽培法、さらには民俗行事や食品の利用法についても触れられます。
「麦翁」権田愛三の足跡
特に注目すべきは「麦翁」として知られる権田愛三の特集です。明治から大正期にかけて熊谷市で活躍した権田さんは、麦栽培の技術を全国に普及させるなど、日本の農業に大きく貢献しました。彼の農法や彼が用いた道具についても詳しく紹介されます。
麦づくりの道具とその歴史
展示では、麦づくりに必要な道具やその発展の歴史についても説明があります。一部の道具は特に麦栽培に特化しており、群馬の「フリコミジョレン」についての説明も受けることができます。これにより、観覧者は麦づくりにおける技術の進化を実感できることでしょう。
独特な農法「ドロツケ」の紹介
「ドロツケ」という農法も本展の見どころです。大宮台地西縁では、この技法を用いて土壌改良が行われ、麦栽培に適した環境が整えられました。展示内では、実際の土のサンプルも見ることができますので、ぜひその目で確かめてください。
麦とともに生きる文化
展示では、収穫祭や祭りなど、麦にまつわる多くの民俗行事も取り上げられます。特に、鶴ヶ島市の『膝折雨乞』という伝統行事は、麦藁を用いて作られた巨大な龍蛇が街を練り歩くことで知られています。この行事を通じて、地域の文化にも触れることができます。
麦に関わる様々な製品
さらに、展示では小麦や大麦を使用した食品、またそれ以外の利用法についても紹介されています。地元のうどんや麦茶、ビール、さらには麦わらで作った日用品まで幅広く取り扱われます。
企画展関連イベント
- - 講演会「麦翁権田愛三」 3月2日(日) 13時30分から。権田の玄孫による解説。
- - ドロツケの歴史を学ぶウォーキング 3月16日(日)に、北本市にてドロツケ農法について学ぶイベント。
- - 展示解説 2月16日・4月13日・4月29日の特定日に行われる解説。
- - 期間限定の料理「おみそ煮ぼうとう」など、地元の特産を体験できる食のイベントもあります。
詳細情報
- - 開催場所: 埼玉県立川の博物館 第2展示室
- - 時間: 9:00~17:00
- - 観覧料: 大人410円、学生200円(中学生以下、障害者手帳所持者は無料)
この春、埼玉の麦文化を体感する絶好の機会です。家族や友人を誘って、ぜひ足を運んでみてください。