2025年に予定されている大阪関西万博では、イタリア館がエミリア・ロマーニャ州の食文化や技術、観光資源など、多彩な側面を披露します。このイベントは9月21日から27日まで、人工島「夢洲」で開催され、多くの注目を集めました。
オープニングセレモニーには、エミリア・ロマーニャ州の知事ミケーレ・デ・パスカーレ氏やイタリア政府代表マリオ・ヴァッターニ氏が出席し、その後、州の魅力を伝えるための様々なパフォーマンスやイベントが行われました。特に、モデナ出身の名オペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティの映像や、カサデイ管弦楽団による伝統的ダンス音楽の演奏が、オープニングを華やかに彩りました。
エミリア・ロマーニャ州は「FOOD VALLEY」として知られ、美食の代表的な地域です。特にパルミジャーノ・レッジャーノやバルサミコ酢などの農産食品は、日本国内でも高く評価されています。PRウィークの期間中には、これらの地域産品の試飲会も行われ、食文化の奥深さを再認識する機会となりました。実際、この地域の農業用地は全国の8.3%を占めており、農業・食品産業に従事する人々が多数存在します。エミリア・ロマーニャ州は、多様な農産物とその加工業を通じて、イタリア全体の6.5%の食品製造業を担っています。
この地域は合計で44のDOP(原産地保護名称)やIGP(地理的表示)製品を有しており、これらの製品の生産に駆けつける人々の努力は、地域経済に大きな影響を与えています。特にオーガニック農業に関心が高まり、多くの農家が環境に優しい持続可能な農業に投資を行っているのも注目されるポイントです。
パスカーレ知事は記者会見で、エミリア・ロマーニャ州の農産食品は品質の面で国際市場で強い競争力を持っているとし、新たな市場開拓の可能性を語りました。日本市場は特に戦略的な重要性を持っており、食品産業の卓越性を世界にアピールする場として最大限の活用が求められています。具体的には、DOPやIGPに認証された製品が今後の国際的な受容を促進することでしょう。
さらに、万博では、イタリア現代アートの展示も並行して行われ、オリアナ・ペルシコ氏の作品「pneumOS」が大きな注目を集めています。この作品は、都市の環境データをもとにした革新的な調和を得意とし、アートと科学の融合を試みています。呼吸の動きに反応するこの作品は、観賞者に瞑想的な経験とともに環境への関心を高める役割を果たしています。彼女は、「共感やつながりを生み出すために設計された機械を世界に送り出します。」と述べており、彼女の表現方法からは新しい感性が伺えます。
これらの活動は、エミリア・ロマーニャ州が持つ食文化と技術の融合を示す絶好の機会であり、国際的な舞台でのさらなる可能性を引き出すための重要なステップです。今後も、この地域の魅力を世界に伝えるための取り組みが続けられ、さまざまな文化交流が展開されることが期待されます。