資生堂が乳幼児期のアレルギー予測技術を開発
資生堂は、東北大学病院と協力して、乳幼児のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症リスクを早期に予測できる診断法を発見しました。この研究は、特に生後2ヵ月の乳児に注目し、角層に含まれる特定のタンパク質の量を測定することで、アレルギーの発生可能性を探るというものです。
研究の背景
近年、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーに悩む家庭が増えており、早期の予防策が求められています。資生堂は35年以上、皮膚科学に基づく研究を行ってきた実績があり、今後も敏感肌に関する研究開発を進めていきます。特に、東北大学病院との共同研究では、SCCA1という皮膚タンパク質に注目し、過去の研究に基づく新しい知見を得ることに成功しました。
SCCA1とは、皮膚のバリア機能を維持する重要なタンパク質で、その量がアトピー性皮膚炎や食物アレルギーとの関連性を持つことが示されています。この研究から、2ヵ月時点での角層中のSCCA1量が、将来のアレルギー発症リスクを示す重要な指標となることが期待されます。
具体的な研究成果
今回の研究では、117名の乳児を対象に、定期的に皮膚科専門医による診察が行われました。生後2ヵ月の乳児において、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症した子どもとそうでない子どもでは、SCCA1の量に顕著な違いが確認されました。特に、頬や口周りの皮膚におけるSCCA1量の違いが、アレルギーの予測に役立つことが確認されたのです。
この技術が実用化されれば、乳児の更なる健康支援につながるでしょう。早期発見が可能になれば、家族は安心できるケアを施すことができます。
今後の展望
資生堂は今後も、得られた先進的な知見や技術を基に、さらなる研究開発を進めていく方針です。特に、敏感肌や美容皮膚科に焦点を当て、より良い化粧品やサービスの開発を目指しています。この研究により、より多くの人々が理想的な肌を手に入れられる可能性が高まっています。
また、資生堂は「DYNAMIC HARMONY」という理念のもと、オープンイノベーションを通じて新たな価値を創造していく方針です。専門医との協力を深め、敏感肌に関する根本的な研究を行うことで、生活者の不安を軽減し、健やかな美を実現するための努力を続けます。
このような資生堂の取り組みは、今後のダーマ市場の成長に寄与することが期待されています。私たちは、この研究がもたらす未来に大いに期待を寄せています。