医療データ分析の新たな挑戦、テックドクターの成功
株式会社テックドクターは医療データ分析SaaS「SelfBase」を提供し、総額約1億円の資金を調達したと発表しました。この資金は、同社が掲げる「データで“調子”を良くする」というミッションをより具体化し、ヘルスケア分野での革新を推進するために使用されます。
自社サービスの成り立ち
テックドクターは、2019年に創業以来、データ分析を通じて人々の健康状態の把握と医療関係者の患者ケアを支援することを目的としています。「SelfBase」は、ウェアラブルデバイスで収集された健康データや医療関連データを統合し、可視化するための強力なツールです。このサービスは、特にデジタルヘルス分野において、大きな成長が見込まれています。
「SelfBase」は、リアルタイムでウェアラブルデバイスからのデータ(睡眠、運動、脈拍など)を収集し、さらには勤務状況や健康診断データなどのアナログデータも取り込める機能を備えています。このように多様なデータをノイズキャンセリングや整形を用いて精錬し、さらにウェルビーイング指数や睡眠のばらつきを計算することで、ユーザーにとって有益な情報を提供します。
社会的背景とニーズ
近年、特にVUCA時代において、メンタルヘルスの重要性は増しています。特にコロナ禍ではリモートワークなどの新しい生活様式が浸透し、メンタル不調の脅威が増しているため、事前の予防やサポートが求められています。テックドクターはこれに応える形で、オンライン診療の一環として「SelfBase」を活用し、医療現場との接点を作り出そうとしています。
今後の展開
テックドクターは、資金調達を機に「SelfBase」のさらなる開発を行うだけでなく、一般ユーザー向けの新たなパーソナルコンディショニングツール「SelfDoc.」の開発を進めています。このツールは、個人や組織の健康状態を把握するためのもので、より身近なヘルスケアの実現を目指します。
経営陣のビジョン
代表取締役の湊 和修氏は、「データを活用し、人が自身の状態を把握することで、より自由な人生を送ることを目指しています」とコメントしました。今後、テックドクターはデータ活用を通じた医療のデジタル化を進め、業界全体の革新をリードしていく意向を示しています。
株主の期待
株式会社ジェネシア・ベンチャーズのInvestment Manager相良 俊輔氏は、医療分野でのデータ活用は今後の重要な課題であると語ります。テックドクターの取り組みが、広告業界の成功から学ぶことができるような新たなモデルになることを期待しています。
会社概要
テックドクターは、東京都港区に位置し、PHR研究用解析システムや従業員見守りサービスなどを展開しています。今後も、データを基にしたヘルスケアサービスの展開に注力していく予定です。
詳細は公式ウェブサイトで確認できます。
テックドクター公式サイト