全米図書賞選出作!
2025-09-26 10:36:27

全米図書賞ロングリスト選出の芥川賞作、驚異の一冊『ハンチバック』とは

驚異の作『ハンチバック』が文庫化



文藝春秋は2025年10月7日に、市川沙央著の『ハンチバック』を文庫版として発売します。この作品は、全米図書賞の翻訳文学部門のロングリストに日本人作家として唯一選出されたことで、注目を集めています。さらに、芥川賞を受賞したこともあり、重度障害者としての生きざまが描かれたこの小説は、文学界における一大事件となりました。

物語の背景



『ハンチバック』の主人公、井沢釈華の身体は、極度に湾曲した背骨を持ち、肺を圧迫する状態にあります。彼女の人生は、孤独で小さな世界での日常から始まります。両親が残したグループホームの十畳の部屋で、釈華は有名私大の通信課程に通い、自らを表現するためにさまざまな文章を書きます。彼女は、自身の思いをつづったコタツ記事を発表したり、18禁TL小説を投稿したりしていますが、同時に「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく一面も持っています。

物語は、彼女が担当する男性ヘルパーの田中に自身の隠された一面を知られてしまうことから動き出します。この出来事は、釈華の心の葛藤や成長を深く描くきっかけとなります。

問題提起と社会的影響



市川沙央は、障害者を取り巻く「異物」というイメージを消したいと語ります。彼女は、障害者として社会に存在していることがどのように認識されるのかを問いかけ、その中でもがく姿を見せています。そのため、本作はただの小説以上のものとして、読む者に強く問いかける力を持っているのです。

交流を通じて得られた思想や観念が盛り込まれた本書には、著者が影響を受けたという文学研究者・荒井裕樹との往復書簡も収められています。彼との対話は、おそらく障害を持つ人々に対する眼差しを変え、理解を深めるための手がかりにもなるでしょう。

文庫特別版の魅力



この文庫版では、ルビが大幅に増加したほか、釈華の思想や気持ちをより深く理解できるような新たな書簡も収められています。著者の市川は、「小さな部屋でつむいだ言葉たちは、今や世界中に波及している」と語り、読者に向けてその力を再確認させるメッセージを発信しています。

結び



『ハンチバック』は、単なる物語ではなく、障害者としての生きざまを描いた深い意味を持つ作品です。あなたもこの衝撃の物語を手に取り、心の深い部分で感じてみませんか。時代を超えて共鳴するこの作品を通じて、新たな視点や感情を見つけることができるでしょう。文庫化されたこの機会をお見逃しなく!


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