近年の物価高が家庭料理に影響、初挑戦レシピは実益重視へシフト

物価高が影響する家庭料理の最新トレンド

クックパッド株式会社が発表した調査によると、家庭料理の「初めて挑戦レシピ」が大きく変化していることが明らかになりました。増加する食材の価格を背景に、料理の選択は趣味性から実益性へとシフトしつつあるのです。

初挑戦から見る家庭料理の変遷

調査の結果、2010年から2025年の「初めて挑戦する料理」は、特に高度な技術を要するスイーツから、手軽で日常的に活用できる料理へと変わってきています。具体的には、ケーキやシュークリーム等のスイーツへの挑戦は2010年の54%から、2025年にはわずか18%まで減少しました。一方で、パンが26.1%を占め、最多の初挑戦レシピと急増している状況にあります。

この変化は、2024年以降の物価高や社会的な状況が影響していると考えられます。特に、パン関連の初挑戦は2020年には18.7%に達しましたが、2021年から2023年の間は5〜7%台に留まった後、2024年に19.4%、そして2025年には26.1%と伸び続けています。

パン作りの人気理由

パンの価格が2025年の時点で、過去基準と比べて27%上昇したことも影響しています。自宅で作れる「手作りパン」は経済的で、日常に役立つ料理として支持を集めています。コストを気にするご家庭が多い中、手作りの手軽さと物価に敏感な意識が、この人気を牽引しているのです。

スイーツの減少と実用的料理の台頭

また、手間のかかるスイーツは定期的に減少に向かっており、その一因には家庭料理の実用性が挙げられます。今や多くの家庭が「作れるレパートリーを増やす」ことを重視し、日常的に役立つ料理が初挑戦の対象となっています。

例えば、唐揚げ、味噌汁、餃子、春巻きなどは「家族全員が楽しめる」実用的な料理として定期的に作られている傾向があります。

多国籍料理の増加

調査で得られたデータによると、中華料理や韓国料理への初挑戦も進展を見せています。コロナ禍を経て、外食の味を家庭で楽しむために、多国籍料理に手を伸ばす動きが続いており、様々な国の料理を自宅で再現する家庭が増えています。特に餃子や春巻き、キンパなどが人気を集めています。

和食の安定と健康意識

和食への初挑戦も引き続き高い人気を誇り、概ね20%前後で安定した推移を見せています。肉じゃがや唐揚げ、さばの味噌煮など、栄養バランスを意識した健康志向が背景にあります。家庭での初挑戦の動機には、「家族の健康を考えた料理を作りたい」という思いが強く反映されているといえます。

季節感を忘れない新たな挑戦

さらに、秋の季節に合わせた「渋皮煮」や「大学芋」などの伝統的な料理も根強い人気を誇ります。これらは、実益重視の料理傾向と並行して、季節の楽しみを大切にする家庭料理の姿を表しています。

まとめ

家庭料理の「初めて挑戦する料理」は、社会の動向や時代背景に大きな影響を受けて軌跡を描いています。物価の高騰や家庭のニーズが変化する中、それに合わせて料理の選択もまた変わっていくことは必然と言えるでしょう。クックパッドは、今後も皆様が初めての挑戦を通じて新たな料理の知恵を得られる場として発展することを目指しています。