AGRISTが世界的AIカンファレンスでMicrosoftと協力した先進技術を紹介

AGRISTが世界最大級のAIカンファレンスで新技術を披露

AGRIST株式会社は、2025年7月23日にシンガポールで開催された世界的なAIカンファレンス「Fortune Brainstorm AI」において、Microsoftと共同で開発したAI技術、「AGRIST Ai」を発表しました。このイベントは、食品の未来を再構築するテーマのセッションで、代表の斎藤が登壇し、最新の技術がいかにして食料安全保障問題を解決する手助けとなるかを解説しました。

共同開発の背景とプロジェクトの発展

AGRISTとMicrosoftの協力は2021年に始まりました。この年にAGRISTは「Microsoft for Startups」プログラムに選ばれ、協力関係の構築が進みました。2024年には、AIイノベーションのための「Microsoft AI Co-Innovation Lab」が神戸に設立され、そこで両社のエンジニアが緊密に連携して「AGRIST Ai」の開発に取り組みました。これにより、農場からリアルタイムで収集されたデータを解析し、農作物の収量を予測するAIを構築しました。この予測システムは通常の静的モデルに比べ、農場の環境変化に応じて自動的に学習をし続けていく点で革新的です。

現在の課題への具体的な解決策

世界的に見ても2050年までに70%もの食料増産が求められる中、日本では農業従事者の減少が深刻です。平均年齢68歳の農業従事者が年間約8万人も減少しているという現状を打破するため、AGRISTの「AGRIST Ai」は絶好の道具とされています。このAI技術を用いることで、農業生産者は収量を事前に正確に予測でき、収益を最大化することが出来ると期待されています。

AI技術の応用と展開

AGRIST Aiは、Microsoftの「Copilot」機能を活かし、Azureを基盤にしています。このシステムによって収量予測の精度が向上し、平均して28.6%の収益増加が見込まれ、農業の計画的な生産と流通が実現可能になりました。その結果、農作物の供給が安定し、消費者にも大きな利益をもたらすことができます。

今後のビジョン

AGRISTは、今後もMicrosoftとの連携を進め、「AGRIST Ai」の多品目対応版を2025年内にリリースする予定です。これにより、ピーマンやきゅうりだけでなく、トマトやなす、いちごなど、さまざまな作物に対応できるシステムへの進化を目指します。

さらに、シンガポールの「30 by 30」イニシアティブとの協力や、Azureを利用した多国間データ連携システムの構築も進めていきます。このように、地域に特化したAIモデルの開発が加速します。

また、2026年からは、海外展開チームを設立し、特に東南アジア、中東、アフリカといった地域での技術導入支援を強化し、国際的な農業生産性向上に寄与することを目標にしています。

CEOのメッセージ

斎藤 CEOは、シンガポールでの経験を通じてAGRISTの技術が国際的に期待されていることを実感しています。「この技術は、今後の農業の持続可能な発展に大きく寄与できると信じています」と語る斎藤の言葉には強い決意と期待が込められています。AGRISTは、テクノロジーを駆使して持続可能な農業を実現するスタートアップ企業であり、今後も世界中での展開を視野に入れた取り組みを続けていくことでしょう。