LIXILが創り出す新たなサプライチェーンの形
株式会社LIXILは、エクサとの強力な連携を図り、のちに人工知能(AI)を駆使した需要予測システムとKinaxis社の提供するSCPソリューションMaestroを組み合わせることで、サプライチェーン改革を進めています。この取り組みは、特に近年のコロナ禍によって浮き彫りになったサプライチェーンの混乱に対応するためのものです。この時期、多くの企業が国際的な物流や生産における遅延に直面し、LIXILもその影響から逃れることはできませんでした。
LIXIL Housing Technologyは、窓やドア、エクステリア、インテリア建材といった製品群を展開していますが、その生産の多くは海外で行われており、納入までのリードタイムは短くて1ヶ月以上かかることが常です。このため、扱うSKUの数が膨大になることで、外的要因からの影響を避けることが非常に困難になっていました。これを受けて、LIXILでは不確実な時代に即応できるサプライチェーンを構築する必要があるとの認識が広がりました。
サプライチェーン改革の狙いと課題
LIXILは生産本部 生産デジタル推進部を中心に、AIによる需要予測を基盤とした効率的な計画業務プロセスの再構築を目指しています。具体的には、需要に応じた資材の供給や生産能力を事前にシミュレーションできる環境を整えることで、SKUの計画精度向上を図ることが目的です。これにより、短期間での需要変動に対処可能なレジリエントなサプライチェーンを構築しようとしています。
具体的な課題としては、有事の際や平時においても即時に対応できる復旧力を持つサプライチェーンが求められています。特に、資材供給網が寸断された場合の迅速な復旧や、急激に高まる需要への柔軟な対応力の強化が必須です。また、平常時においても計画データの精度を向上させることが肝要です。
導入の効果と期待される成果
AI需要予測システムとMaestroの統合によって、以下のような効果が期待されています。まず、サプライチェーン全体の状況をリアルタイムで可視化し、遅延している資材やその影響範囲を即座に特定することが可能となります。この結果、需要に応じた生産体制を適切に設計することで、個別SKUにおいても精緻な計画が立てられるようになります。
LIXILはMaestroを通じて、さらに多くのデータを活用していくことを期待しています。これによって、ますます効率的かつ効果的なサプライチェーンの構築が進むことでしょう。
今後の展望
事業戦略の最適化に向けた次のステップとして、サプライチェーン改革の一環でS&OP(Sales & Operations Planning)へと進む予定です。これは、サプライチェーンに財務的視点を導入し、最適な製品ミックスを策定することを目指しています。引き続き株式会社エクサによる支援を享受し、さらなる革新を期待しているところです。
LIXILは今後も、持続可能な住環境の実現に向けて先進的な技術を駆使し、人々の生活をより良いものにしていく姿勢を保ち続けるでしょう。
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会社情報
- - 株式会社LIXILは、先進的な水まわり製品や建材を通じて、より豊かで快適な住まい作りを目指しています。日本の伝統を基にした製品を世界150カ国以上で展開し、日々の生活に新しい価値を提供しています。
- - 株式会社エクサは、ITサービス会社として、デジタルトランスフォーメーションを推進し、コンサルティングから運用・保守まで、幅広いサービスを提供しています。