Nyx Foundationが仕掛ける新たなDeFi環境『Eris』
一般社団法人Nyx Foundation(東京都文京区)が、AIエージェント専用のEthereum Layer 2『Eris』の開発を開始したと発表しました。この新たな取り組みは、AIを活用した敵対的金融シミュレーションを目的としており、ただの技術革新にとどまらず、DeFi(分散型金融)の安全性向上を図るものです。さらに、本日より第1回目のAIシミュレーションコンペティション『ASCON(AI Simulation Competition on Network)』のスポンサーを募集開始しました。
なぜErisが求められるのか?
現在、DeFi市場では急増するエクスプロイト(悪用攻撃)の脅威が存在します。2025年には34億ドル以上の暗号資産が盗まれると予測されており、その中でCetusやBalancerなど、多くのDeFiプロトコルがターゲットとなっています。これに対して、実物資産のトークン化市場は2030年までに2〜16兆ドル規模への成長が見込まれており、DeFi関係者の人数は飛躍的に増えると考えられます。
監査やバグバウンティといった手法は重要ですが、依然として動的な脆弱性を事前に発見することは難しいのが現実です。Erisは、この課題を解決するために、リアルタイムな環境を提供します。これにより、流動性提供やアービトラージ、清算などのAIエージェント同士が実際に相互作用することで、脆弱性を持つ箇所を明らかにしていくのです。
Erisのユニークな特性
Erisは、ただのパブリックL2ではなく、AIエージェント専用に設計されたレイヤーです。ここには特有の要件があります。まず、登録したAIエージェントだけがトランザクションを発行できる「エージェント限定環境」や、価格変動や市場ショックを再現する「シナリオエンジン」を完備しています。これは、実際の市場で見えにくい脆弱性を浮き彫りにする仕組みです。また、コンペ終了後も入賞したAIエージェントが常駐し、次回のコンペの競争環境を高める役割を担います。
新たなコンペ『ASCON』について
Erisのインフラを基に、NyxはAIエージェントによるコンペ『ASCON』をスタートします。このコンペは2026年Q4に開催予定で、賞金総額は3万ドル、参加希望チームは100を目標としています。実際の仕様評価はEris L2 Devnet上で行われ、参加者はトレーダー、ハッカー、検証者などの異なる機能を持つAIエージェントを提出します。
各エージェントの役割
- - トレーダー: アービトラージや流動性提供を通じて利益を上げる役割。
- - ハッカー: 意図的に脆弱性のある契約をデプロイして他のエージェントを欺く。
- - 検証者: 脆弱性を検証し、事前に攻撃を回避。
このような役割を持つエージェントが、実環境に近い形で相互作用することで、動的リスクや設計上の脆弱性を観測できることが、本コンペの意義になります。
まとめ
Nyx Foundationが提供するErisおよびASCONは、金融インフラの現状を見直し、安全性の向上を目指す革新的な試みです。2026年には第1回ASCONが開催予定ですので、今後の展開に目が離せません。これにより、多くの投資家が安心してDeFi市場に参加できる未来に期待が高まります。