香川県の直島町に位置するベネッセハウスが、名門ミシュランが主催する「第1回ミシュランアーキテクチャ&デザインアワード」に選出されました。このアワードは、世界中の優れた建築とデザインのホテルを評価し、表彰するもので、名誉あるノミネートの中でも、ベネッセハウスは日本で唯一のホテルとしてその名を挙げています。
このアワードは、特に優れた設計理念やデザイン哲学を持つホテルを選ぶことを目的としており、ベネッセハウスはその設計において著名な建築家、安藤忠雄氏の革新的な作品です。1992年に開館したこのホテルは、ホテルと美術館が統合された世界初のミュージアム・ホテルとして、現代アートを体験する場としても注目されています。
ミシュランガイドによると「90年代に安藤忠雄氏の設計によって作られたこのホテルは、自然とアートの融合をコンセプトにしており、訪れる客にとって特別な体験を提供しています」。客室は全65室で、どれも広々としたスペースが特徴。床から天井までの大きな窓からは、瀬戸内海や美しい庭園の景色を一望することができ、宿泊者は大自然との一体感を感じられます。
ミシュランガイドの表彰式は2025年10月8日にパリの装飾美術館で行われ、本アワードの受賞ホテルが発表される予定です。また、今年の「2025年ミシュランキー」も同時に発表され、世界で最も魅力的なホテルも選ばれます。他のノミネートホテルには、ドバイのアトランティス・ザ・ロイヤルや、サウジアラビアのシェバラ・リゾートなど、国外の名だたる施設も含まれています。
また、ベネッセハウスは、直島、豊島、犬島の3つの島を舞台にしたアート活動「ベネッセアートサイト直島」の中心的存在でもあり、地域の文化や歴史を生かした特別な場所を創出しています。ここでは、訪れる人々が自然とアートを通じて深く考え、触れあうことで、ベネッセの企業理念である「よく生きる」とは何かを探求できます。
経年とともに瀬戸内海国立公園と融和するように設計されたベネッセハウスは、長いスロープや階段、そして現代アートを感じられる空間設計が特徴的です。これらの要素が融合し、ホテル全体を通じてアートの体験が繰り広げられています。
この度のノミネートを受けて、ベネッセハウスの運営を行う株式会社直島文化村は、今後の展望に期待を寄せています。地域との結びつきを大切にし、さらなる発展を目指していく姿勢を示すことで、観光客にとっても魅力的な目的地としての地位を確立することが期待されます。ミシュランアワードでの成功が、地域全体の魅力をさらに引き立てていくことでしょう。