愛知県での太陽光発電実証実験の開始
愛知県額田郡幸田町の菱池遊水地で、パシフィックコンサルタンツ株式会社による太陽光発電の実証実験が始まりました。この実験は、愛知県が推進する「矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト」の一環として実施されており、環境省による水インフラ活用型再生可能エネルギー技術の実証事業に採択されています。
矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクトとは
このプロジェクトは、矢作川と豊川流域をモデルケースとし、水循環をテーマに、官民協力のもとで「カーボンニュートラル」の実現に向けた様々な取り組みを行っています。再生可能エネルギーの創出が重要な課題として位置付けられ、特に水インフラの空間を活用した技術開発に注力しています。
実証実験の概要
本実証実験では、堤防法面にペロブスカイトを使用した太陽電池モジュールを埋め込んだ「太陽光発電ブロック」を設置します。これにより、堤防の機能を維持しながら効率的に発電を行う方法を探ります。
具体的には、全体システム設計、法面ブロック開発、堤防の維持管理性の確認などを行い、太陽光発電の設置を可能にします。この技術が成功すれば、ダムやため池など次世代の水インフラにも応用できるため、再生可能エネルギーの普及に大いに貢献することが期待されています。
実施期間と期待される効果
この実証実験は、2025年7月1日から2026年3月20日までの期間にわたり実施されます。期待される効果としては、太陽光発電設置の拡大、堤防の強化、除草にかかるコストの抑制などがあります。
検証には、堤防と太陽光発電システムの維持管理方法、雨水排水の効率、天候による影響、防草効果、感電リスクのチェックが含まれています。これらのデータをもとに、ブロックの改良や標準化も検討されます。
未来に向けた展望
この実証事業により、水インフラ施設における太陽光発電導入のノウハウが確立されれば、日本全国の堤防やダム、貯水池の水面などにも適用が広がるでしょう。これが脱炭素社会の実現に向けて大きな一歩となることが期待されています。
パシフィックコンサルタンツグループは、温室効果ガスの排出量を削減し、「Pacific Net Zero」の実現に向けた取り組みを通じて持続可能な社会の構築に寄与していきます。
パシフィックコンサルタンツ株式会社について
1951年に設立されたパシフィックコンサルタンツ株式会社は、70年以上にわたり、建設コンサルタントとしての地位を確立してきました。国内外での社会インフラ整備やまちづくりに関与しており、「未来をプロデュースする」というビジョンを掲げて持続可能な社会の実現に向けて新しい価値を生み出し続けています。