横山大観記念館で開催中の「水の情景」展を徹底解説！

横山大観記念館での特別展「水の情景」

東京都台東区に位置する横山大観記念館が、2025年12月21日（日）まで「水の情景 ― 大観の描く海・川」という企画展を開催しています。本展は、著名な画家横山大観が生涯を通して描いてきた「水」に焦点を当て、その多彩な作品を収めています。

横山大観とは？

横山大観は、日本画壇の巨匠として知られ、特に富士山を題材にした作品で名を馳せています。しかし、彼の芸術は富士山にとどまらず、多岐にわたる作品が評価されています。本展では、彼の手がけた花鳥画、風景画とともに、水の表情に対する独自の探求が強調されています。

水の情景の描写

本展では、光の反射や波の揺らぎ、流れのリズムなど、横山大観が水をどのように捉えたのかを、様々な方面からビジュアルでご覧いただけます。大観の筆致によって描かれた水の情景は、単なる自然の表現から、彼の創造力と技法の幅広さを伝えるものとなっています。

秘蔵作品の展示

特に注目すべきは、横山大観記念館が誇る独自のコレクションです。彼が手掛けた「海」や「川」をテーマにした作品群が公開されており、制作過程や独自の手法についても考察できる貴重な機会となっています。風景の中で彼の息遣いを感じながら、じっくりと観ることができるのは、この記念館ならではの体験です。

注目作「月見布袋」

特に感銘を受けるのが、《月見布袋》です。布袋は七福神の一人であり、金運や健康、家庭円満の神として広く親しまれています。本作では、月の光を浴びつつ水に浮かぶ船で安らぐ布袋が描かれており、視覚的には漠然とした空間が広がっています。これにより、観る者に豊かな想像の余地を与えるだけでなく、空気や光の存在を感じさせる作品に仕上がっています。

大観最後の絵巻「四時山水」

横山大観の最後の絵巻である《四時山水》も特別展示されています。この大作は、日本美術院創立50周年を記念して制作されたもので、全長27メートルの美しい描写が特徴です。この中には、日本の名勝地が描かれ、四季の自然美が展開されています。特に今回は、晩夏の嵯峨野の竹林と秋の保津川に焦点を当てています。

展覧会の詳細

- 会期：2025年10月16日（木）～2025年12月21日（日）
- 休館日：月・火・水
- 時間：10:00～16:00（最終入館は閉館30分前）
- 入館料：一般800円、中高生650円、小学生300円（障がい者割引あり）
- 所在地：東京都台東区池之端1-4-24

詳しい情報は公式ウェブサイト（横山大観記念館）をご確認ください。

次回の企画展

次回の楽しみとして、2026年1月8日から3月29日まで開催される開館50周年記念の特別展「霊峰の美ー大観が描く富士」にも注目です。こちらでは、歌舞伎座の第一緞帳《霊峰飛鶴》の原画など、大観の富士山に関する作品が大公開される予定です。

このように、横山大観記念館は彼の優れた作品を通じて、日本の美を紹介する大切な場所です。是非、足を運んでその美を体感してみてください。