新たな魚の未来を切り拓く『夢あじ』テスト販売開始
2014年の12月2日(月)、株式会社さかなドリームが新種魚『夢あじ』のテスト販売を開始します。千葉県館山市に本社を置くこの会社は、世界一美味しい魚を創造し、人々に届けることを目指しています。市場にはほとんど流通していない幻の魚『カイワリ』と、南房総産の『金アジ』を親魚として持つこの新品種は、これまでの養殖魚の概念を打ち破る可能性を秘めています。
取り組みの背景:美味しい魚の需要と安定供給
近年、世界の魚食需要は急速に増加していますが、日本における天然魚の漁獲量は、ピーク時の3分の1まで減少しました。気候変動や海洋環境の変化も影響を及ぼし、魚の旬や味にも大きな変化が見られます。さかなドリームは、これらの課題に立ち向かい、安定した供給が可能な美味しい養殖魚の提供を目指しています。
『夢あじ』の誕生:新たな美味しさへの挑戦
共同創業者である東京海洋大学教授の吉崎悟朗氏は、「カイワリ」に注目しました。市場で人気がありつつも、養殖の難しさから流通が限られるこの魚に対し、養殖技術の確立された『マアジ』を交配させることで、『夢あじ』が誕生しました。この新しい品種は、抜群の美味しさと飼いやすさを兼ね備えており、今後の養殖魚の可能性を広げることが期待されています。
『夢あじ』の特長:他にはない脂ノリ
『夢あじ』は、『カイワリ』の上品さと南房総産の『金アジ』の豊かな脂を持つ養殖魚です。ミシュラン星を獲得した寿司職人や豊洲市場の仲買人からも、最高評価を受けています。特筆すべきは、養殖魚特有の癖がなく、天然の高品質魚に近い味わいを楽しめる点です。
サステナビリティへの配慮:生態系保護を意識した養殖
『夢あじ』は、生殖幹細胞を持たない一代限りの養殖魚であるため、自然災害で逃げ出す怖れも少なく、生態系への影響も避けられます。さかなドリームは、品種改良と生態系の持続可能性を両立しようとしています。この取り組みは、日本の魚食文化の持続的な発展にも寄与することでしょう。
テスト販売について
テスト販売は、全国各地の人気鮮魚小売店で行われます。具体的には、2024年12月2日から8日まで中島水産で、さらに2025年1月7日から13日までサカナバッカで実施予定です。
業界からの高評価
『夢あじ』に対する期待が高まる中、ミシュラン店のシェフもこの魚に注目しています。特に、養殖魚特有の風味が少なく、極めて上質な味が特徴だと評価されています。
今後の展望:『夢あじ』のブランド化
さかなドリームは『夢あじ』の広告を強化し、2025年には豊洲市場への出荷を見込んでいます。さらなる美味しい養殖魚の開発にも取り組むことで、ラインアップの充実を図り、様々な顧客の期待に応えていく計画です。
企業理念:美味しい魚を創り届ける
さかなドリームの理念は「世界一旨い魚を創り、届けること」。日本の豊かな海洋資源を活かし、世界に誇る美味しい魚を育成するために、最先端の技術を駆使した取り組みが続けられています。
会社概要
- - 社名:株式会社さかなドリーム
- - 所在地:千葉県館山市湊493番地19 レアージュ館山オーシャンタワー1303
- - 代表者:代表取締役CEO 細谷俊一郎
- - 設立:2023年7月3日
- - 公式サイト:https://sakana-dream.com
この新たな品種が魚食文化にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まります。