みずほリースとTREホールディングス、使用済みIT機器の資源循環へ
最近、みずほリース株式会社(代表取締役社長:中村昭)とTREホールディングス株式会社(代表取締役社長:阿部光男)の連結子会社であるエムエル・ITADソリューション株式会社とリバー株式会社が、使用済みIT機器の国内資源循環サービスに関する基本合意書を締結しました。この合意は、環境問題の深刻化に対処し、資源の有効活用を図ることを目的としています。
背景と目的
使用済みIT機器の増加は、世界的な課題として顕在化しています。国際連合の統計によると、2022年度には約6200万トンのE-waste(電子廃棄物)が発生しましたが、そのうちの約78%は適切なルートで処理されていない状態です。特に、発展途上国へ輸出された機器が不十分な管理のもとで処理されることで、環境汚染が進行し、健康リスクも増大しています。
このような状況を踏まえ、みずほリースは中期経営計画2025の中で、サーキュラーエコノミーを重要なビジネスの柱と位置付け、「高度循環型社会」や「脱炭素社会」の実現に寄与する事業を推進しています。エムエル・ITADソリューションは、ITAD(IT Asset Disposition)サービスを通じて、使用済みIT資産の広範な回収・再利用を目指して今年4月に設立されました。
具体的取り組み
今回、エムエル・ITADソリューションとリバーは、使用済みIT機器の国内資源循環サービスに関する具体的な運営体制や流れについての協議を開始します。以下の2つの取り組みに重点を置く予定です。
1. 使用済みIT機器の分解と国内資源循環の促進
エムエル・ITADソリューションが回収した使用済みIT機器をリバーが分解し、貴重な希少金属を国内で再資源化する仕組みを整備します。このプロセスにより、資源の有効活用が促進され、国外での不適切な処理による環境や健康リスクを防ぐことが期待されます。
2. トレーサビリティ情報の提供
国内の資源循環プロセスにおいて、トレーサビリティ情報を顧客企業に提供することで、サプライチェーンの透明性を高めます。これにより、顧客企業は環境保全活動や人権尊重を含む取り組みを証明しやすくなります。
目指す未来
みずほリースとTREホールディングスは、それぞれの強みを生かし協力し合いながら、使用済みIT機器の国内資源循環をさらに推進する新たなサービスを展開することを目指しています。また、本取り組みが持続可能な社会への足掛かりとなり、環境保全と経済の強化を同時に実現する一助となることを期待しています。
このような取り組みは、環境保護のみならず、経済の安定性にも寄与するものであり、持続可能な社会に向けた具体的な一歩として注目されています。引き続き、エムエル・ITADソリューションとリバーの協力関係が、より良い未来へ繋がることを願っています。