大阪・関西万博のスペイン館
2025年に開催される大阪・関西万博に出展しているスペイン館が、開幕からわずか56日という短期間で来場者数100万人を突破しました。この記録的な瞬間を迎えたのは、東京からお越しのイトウ様ご夫妻で、彼らはスペイン館の100万人目の来場者に選ばれました。開幕予想では、万博期間の6ヶ月間で約280万人の来場者が見込まれていましたが、その早さからも注目されていることが分かります。
予想を上回る大人気の理由
スペイン館の魅力の一因は、建築デザインや展示内容、また食の文化がSNS上で盛んに話題になっていることにあります。館内の大階段に使用されているセラミックは、サグラダ・ファミリアで知られる工房によるもので、美しい色のグラデーションが特徴です。この階段は、夕陽が映る浜辺を思わせる装飾が施されており、訪問者の人気を集める撮影スポットとなっています。
さらに、公式Instagramアカウントでは、館内で撮影された子どもの写真が「ベストフォト」に選ばれるなど、他の来場者にも積極的にはSNSでシェアされるなど、より多くの人々がスペイン館の魅力を知るきっかけとなっています。
テーマ「黒潮」に豊かさを学ぼう
スペイン館は「黒潮」をテーマにしており、これは16世紀にアジアとアメリカ間を結ぶ交易路に深く関連する海流です。この黒潮により形成された「マニラ・ガレオン貿易」は、250年もの間、マニラとアカプルコ間の重要な交易路となりました。来場者は、「太陽の広場(Plaza del Sol)」から館内へと足を踏み入れ、現代のスペインアーティストによる映像作品が大きな画面で上映される中、次々と展示が行われます。
また、フラメンコを中心に600回を超えるパフォーマンスも行われ、来場者は文化的な体験を楽しむことができます。展示エリアでは、海流やスペインのブルーエコノミー(海洋経済)、カナリア諸島の藻類を活用した新しい形のバイオ燃料や化粧品の生産に関する研究も紹介されており、単なる展示に留まらない深い学びの場が提供されています。
歴史的交流と文化的展示
このスペイン館では、史実として1609年に千葉県御宿沖でのスペイン船「サン・フランシスコ号」の乗組員救出や、1613年に支倉常長がメキシコやキューバを行った際の交流も紹介されています。スペインと日本の歴史的つながりを知ることで、訪問者はより深くその文化を理解する糸口を得ることでしょう。展示では、パコ・ロカの漫画『黒い白鳥の財宝』を通じて、水中文化遺産についてもわかりやすく説明されています。
最後には、来場者はスペインの美しい海岸を思わせる空間へ導かれて、多くの人々が旅してきた証である観光の絵はがきが現代のSNSの特典とともに展示されています。このように、スペイン館は訪問者に豊かな体験を提供し続けています。
グルメ体験もお忘れなく
さらに、スペイン館内のレストランでは、スペインの各自治州とセウタおよびメリリャの18種類のタパスが楽しめるコースが用意されています。訪れる人々は、味覚を通じてスペイン全土を旅するような体験ができます。スイーツやお菓子の展示もあり、訪問者はただの観覧者ではなく、新しい文化を体感する参加者としての役割を果たすことができます。
まとめ
大阪・関西万博におけるスペイン館は、魅力あふれる展示内容と、来場者とのインタラクションが生み出すユニークな体験によって、多くの人々に感動を与えています。国際博覧会におけるスペインの出展を統括する機関、アクシオン・クルトゥラル・エスパニョーラ(AC/E)が手掛けるこの展示は、訪問者に新たな発見と感動を提供しています。