スタートアップに挑戦する大企業人材を支援する新しい取り組み「SHIFT(x)」

大企業人材の新しい挑戦を後押しする「SHIFT(x)」

2021年、経済産業省はテック系スタートアップへの進出を促進するための新たな施策「SHIFT(x)」を発表しました。この取り組みは、スタートアップでの人材不足を解消し、大企業で培ったノウハウを活かせる環境を提供することを目指しています。特に、営業やマーケティング、財務や人事など、経営管理のスキルを持つ人材はスタートアップにとって大きな価値を持っています。

大企業人材がスタートアップで直面する問題

大企業人材がスタートアップに挑戦する際には、いくつかの障害があります。まず、彼らはスタートアップに対して漠然とした不安を抱くことが多く、身近に情報や成功事例が存在しないため、転職に踏み出せないことが多いのです。この「イメージと実態のギャップ」は深刻で、実際に大企業から転職した方々の多くが「自由度が増し、やりがいを感じている」との報告とは裏腹に、彼らが抱く疑念は容易には解消されません。

実施された調査の結果

大企業からスタートアップに転職した101人に対するアンケート調査では、驚くべき結果が得られました。「仕事の自由度が上がり、楽しくなった」とした回答者は98%以上。逆に、転職を後悔している人はわずか1名という結果から、実際に転職した後の満足度が高いことが明らかになりました。これは、情報の不足が大企業人材の挑戦を妨げている要因であることを示しています。

SHIFT(x)のモデル事業と支援内容

本事業「SHIFT(x)」では、7つのモデル事業を採択し、大企業人材がスタートアップに挑戦する事例の創出と、その情報発信を行っています。採択された事業は、プロボノや副業、転職などさまざまなスタイルで進められます。これにより、大企業人材とスタートアップの間の乖離を埋め、双方の発展を促すエコシステムの形成を目指しています。

特設ウェブサイトの開設

SHIFT(x)に関する情報を集約した特設ウェブサイト（https://shiftx.jp）も立ち上げられ、ビジネス界の新たなキャリアに挑戦する人々への情報提供が行われます。ここでは、モデル事業の紹介やスタートアップキャリアの実態についてのコンテンツが随時更新されていく予定です。

SHIFT(x)とは何か

SHIFT(x)は「Program for Supporting HR Innovation for Tech-startups & (x)」の略称で、数学の変数xは「働き方」「スキル」「キャリア」など様々な概念を表しています。この取り組みを通じて、大企業が持つ人材の多様な能力をスタートアップエコシステムにシフトしていくことを意図しているのです。