国産バレルサウナの魅力
近年、サウナは多くの人々にとって心と体の癒しの空間として再評価されています。その中でも、特に人々の注目を集めているのがバレルサウナです。このサウナはフィンランドが発祥の樽型の組み立て式サウナで、個人の家庭からグランピング施設まで幅広く導入されるようになっています。
愛知県豊田市で生まれたこの国産バレルサウナは、地元産の木材を使用しており、自然との調和をコンセプトとしています。株式会社アーティストリーが手掛けたこのプロジェクトは、地域経済の振興はもちろん、環境保護や健康促進まで幅広い視点で展開されています。
健康のためのサウナ
韓国やフィンランドなど、サウナの文化が根付いている国々では、サウナが心身の健康に与える効果が数多くの研究で実証されています。サウナによって得られる大量の発汗は、体内の老廃物を排出し、血行を促進させる効果があります。また、リラックス効果も高く、ストレスの軽減にも寄与します。こうした効用から、「整う」と表現される状態を多くの人々が求めるようになっています。
アーティストリーの社員である大西功起氏は、木材を使用することがただの快適性だけでなく、より大きな環境意識に繋がると話しています。木材の選択は、その癒しの香りや視覚的な美しさだけに留まらず、環境への配慮も含まれているとしています。
森や地球環境への配慮
日本は豊かな森林に恵まれている国ですが、木を利用する文化が薄れていく中で、放置林が増える問題が見受けられます。こうした森林を放置することは、結果として土砂災害などの環境問題を引き起こす原因ともなります。そのため、成熟した木を活用することが、問題解決の一環として大切だとされています。
大西氏は「CO2を吸収する木材」の重要性を強調し、地域で生産される木材を使用したバレルサウナ製作がカーボンニュートラルの実現に拍車をかけると考えています。サウナの製作に使用される木材は、愛知県内の各社との協力によって供給されており、持続可能な経営へと繋がっています。
地域の連携が生み出す魅力
今回のプロジェクトでは、木材の調達から製品に仕上げるまで、愛知県内の様々な企業が連携して取り組んでいます。林業の担い手たちが森から切り出した木材を、製材所で加工し、職人たちがそれをバレルサウナという形に仕上げていきます。
井原さんや沼田さんといった関係者たちは、木材がどこでどのように使われているかを知ることができる機会が減っている現代において、自らの仕事に誇りを持ち、子供たちにこの業界の魅力を伝えたいとしています。
愛知県での展示とイベント
この国産バレルサウナは、愛知県名古屋市内の百貨店にて展示される予定です。実際に使用される木材の質感やデザインを体験する機会であり、多くの人々に新たなサウナ文化を提供しています。
イベント名:『LOVE SAUNA』
開催日時:2023年2月17日(金)~ 2月21日(火)
会場:10階催事会場
イベント名:『でらととのう 伊勢丹サウナ館@名古屋栄三越』
開催日時:2023年3月8日(水)~ 3月14日(火)
会場:3階スタイルコート#3
また、大西氏は愛知淑徳大学にてZ世代を対象としたビジネスアイデアの授業を行っており、学生たちは新たなビジネスモデルを考案しています。これからのサウナ文化やビジネスは、未来の世代がキャッチしていくことになります。
この取り組みを通じて、サウナの楽しさを広めると同時に、環境への配慮や地域の活性化に寄与する活動が続いていくことでしょう。