香の伝統を五感で楽しむ
香の老舗「香十」は、1557年に創業し、450年の歴史を誇る名店です。この度、平安時代の香り文化を再現した練香『六種の薫物』が、2025年4月18日より数量限定で登場します。各種50個の限定販売で、価格は4,950円から5,500円(税込)となっています。
『六種の薫物』の魅力
『六種の薫物』は、平安期に人気のあった六種類の香りから成り立っています。具体的には、「梅花」「荷葉」「侍従」「菊花」「落葉」「黒方」の6種です。これらは、古典香書『薫集類抄』や『香秘書』に基づき、当時の処方や原料を忠実に再現しています。
詳細な香りの解説
1.
梅花(ばいか): 源公忠の処方から生まれた香りで、沈香や占唐に丁子の酸味が効いた華やかさが特徴です。梅の花をイメージした香りです。
2.
荷葉(かよう): 山田尼の処方によるもので、白檀を使用した清涼感のある香りが、蓮の花の軽やかさを表現しています。
3.
侍従(じじゅう): 八條宮の処方に基づくこの香りは、沈香と甘松が調和し、秋風のような落ち着いた雰囲気を醸し出します。
4.
菊花(きっか): 白河院や平忠盛の処方から生まれた菊花の香りは、沈香や甲香、薫陸を混ぜて作られた、深い印象の香りです。
5.
落葉(らくよう): 後小松院処方のこの香りは、沈香と甲香、麝香を使用し、まるで秋の落葉が舞うような柔らかな香りが特徴です。
6.
黒方(くろぼう): 朱雀院の処方で、沈香や麝香、丁子を豊富に使った重厚で格式の高い香りとなっています。
伝統製法によるこだわり
香十では、香りの調合後、完成した練香を土中に埋め、一定期間熟成します。この手法は、古代から伝わる伝統的な製法に基づいており、香りの深みを増すためのおおいによく計算されたプロセスです。また、練香は火を直接当てずに温めて使用されるため、専用の香炉や茶席で楽しむスタイルが適しています。
香十の歴史と現代の展開
1575年の創業以来、香十は京都で代々受け継がれ、特に徳川家や宮中に香を納めてきた伝統があります。香十の第四代目は徳川家康に重用され、名跡を築きました。その技術や理念を受け継ぐ今の香十は、日本香堂グループにより、現代的な香りアイテムを多様に展開しています。京都や銀座、東京などに店舗を構え、香文化を体験できるワークサロン「座 香十」も開催しています。
香十の公式サイトでは、詳しい情報や通販の案内がされています。ぜひ、古き良き香り文化を体験する機会として、この『六種の薫物』を手に取ってみてください。