武蔵野美術大学の新たな展覧会
武蔵野美術大学美術館では、著名な彫刻家である伊藤誠の展覧会「伊藤誠──夢を見るための機械」が開催されます。この展覧会は、彼が約半世紀にわたって追求してきた独自の彫刻の世界を紹介する重要な機会です。
伊藤誠の哲学
伊藤誠は、身近な素材を用いながらも、軽やかさと意外性に富んだ彫刻を生み出してきました。彼の代表的なアイデアは、鑑賞者の視線を喚起し、新たな発見をもたらすための彫刻を「夢を見るための機械」と表現することです。これは、彼の作品がただ見るものではなく、見た先にある何かを感じさせる道具として機能していることを示しています。
展覧会の見どころ
展覧会では、初期から最新までの伊藤の作品を約60点展示します。鑑賞者が様々な視点から作品を観ることにより、新しい感覚が生まれるのが伊藤の作品の特徴です。一見シンプルで抽象的な形態が、異なる視点から捉え直されることで全く違う意味を持ったものに変化します。
また、光を透過したり、周囲の空間を映し出す特殊な素材使いも、彼の作品にさらなる深みを与えています。
作品の魅力
伊藤の作品は、鑑賞者に探索の旅を提供します。たとえば、2003年に発表された《船の肉》という作品には、彼のいう「イマジネーション」を働きかけ、人々を未知の場所へと導く力があります。このように、作品には常に何か新しい発見が待ち受けています。
40年の活動の軌跡
1980年代初頭から活動を始めた伊藤誠は、現代美術の多様な流れの中で、素材と物質性の探求を行ってきました。展覧会では、彼の初期の大型作品から最新作に至るまでを一堂に展観し、彼の芸術の進化を観察することができます。近年の彼の新しい挑戦として、鑑賞者がその身体に装着することをテーマとした作品群も含まれており、形式や媒体を拡張しながら、新たな芸術観を提供しています。
展覧会概要
- - 会期: 2025年9月8日(月)〜10月26日(日)
- - 開館時間: 11:00〜19:00(土・日曜日、祝日、特定日10:00〜17:00)
- - 休館日: 水曜日
- - 入館料: 無料
- - 会場: 武蔵野美術大学 美術館
作家の言葉
伊藤は「彫刻が必要か」という問いを胸に、これを「夢を見るための機械」と名付けた理由についても語っています。彼の言葉では、彫刻は誰にとっても必要なものではなく、特定の人々との対話を通じて成り立つものであるとしています。このように、彼の作品は個々の視点によってその意味が異なる不思議な魅力を湛えています。
参加イベント
さらに、展覧会期間中には対談イベントも開催され、アーティスト自身がその作品や意義について語ります。興味のある皆様には、この貴重な機会をぜひお見逃しなく。
伊藤誠の彫刻展が、あなたの視覚と感覚を如何に挑戦してくるのか、ぜひその目で確かめてみてください。