構造別に見る水災補償の希望傾向
Mt.flowers株式会社が運営する火災保険一括見積もりサービス「wismoney(ウィズマネ)」では、2024年8月から2025年7月の期間に集めた見積もり依頼データをもとに、住宅の構造別に水災補償の希望状況を分析しました。この調査により、木造住宅の補償希望率が26%と少なく、鉄骨造やその他構造(コンクリート、れんが、石造など)ではそれぞれ32%、31%と高い傾向が見られました。さらに、共同住宅はわずか18%の希望率であり、構造別の意識差が際立つ結果となっています。
1. 木造住宅の水災補償希望は26%のみ
最も多くの見積もり依頼が寄せられる木造住宅は、補償を希望する率が26%に留まりました。約半数以上が『希望しない』との回答であり、補償を検討中という層も少数派です。木造住宅は水に浸かると、床下や壁内部が腐食するリスクが高く、長期間にわたってカビの発生などが懸念されるため、実際のリスクと補償希望の間に大きなギャップが生まれているのが現状です。
このような木造住宅は日本全国で広く見られるため、リスクを正しく認識し、補償を選ぶことが重要です。浸水被害が多発しやすい構造にもかかわらず希望率が低いことは、今後の課題とされるでしょう。
2. 鉄骨造は32%が水災補償を希望
鉄骨造では、補償希望率が32%に達しており、木造よりも高い割合を示しています。『検討中』の層も多く見受けられ、補償の必要性を感じつつも決断に悩む人々が多いことが示されています。耐火性や耐震性に優れた鉄骨構造ですが、浸水時には鉄部の錆びや腐食が懸念されるため、このリスクを認識した上で判断を迷う層が多いと考えられます。
鉄骨造は頑丈であるとの印象があるため、水害時にかかる修繕費の大きさを意識している人が一定数存在します。このデータから、『検討中』層が比較的多いことは、リスクを理解し判断を迷う傾向にあるといえるでしょう。
3. その他構造は水災補償希望が31%
コンクリートやれんが造、石造などの構造を含む『その他構造』では、31%が水災補償を希望しています。一方で46%は『希望しない』と回答しており、意識が二極化しているのが特徴的です。これらの構造の建築件数は少なく、立地条件や建物特性によってリスク認識が大きく異なる影響があると言われています。
特殊な構造の住宅の場合、被害時の修繕や再建にかかるコストが高くなるため、意識に差が生じるのも理解できます。したがって、その他構造の住宅は立地や使用状況によって補償の必要性を評価することが求められます。
4. 共同住宅は水災補償希望が僅か18%
マンションなどの共同住宅では、水災補償を希望する率が最も低く18%にとどまる結果となっています。多数が『希望しない』と感じている中でも、一定数が『検討中』という回答をしていることから、意識の差が存在することが分かります。高層階の住居は浸水リスクが低いと考えられる一方で、地下駐車場や共用部分のリスクを認識している住人もおり、意識の多様性がうかがえます。
共同住宅では、住居内のリスクだけでなく共用部分の水害が建物全体に影響することから、補償に対する考え方が必要です。
まとめ
今回の調査から、木造住宅では水災補償を希望しない層が過半数に達し、実際の危険度に比べ補償意識が低いことが明らかになりました。鉄骨造やその他構造においては3割を超える補償希望が見られ、必要性を認識しつつも判断が分かれる形が確認されました。共同住宅では、希望率が低いことが高層階の特徴や共用部分リスクの意識に関連していると考えられます。
近年、台風や豪雨による災害が増加している中、住宅構造に応じた適切な補償選びが重要であることが、今回の分析から浮き彫りとなりました。wismoneyでは、築年数や構造、用途に応じた最適な火災保険の比較・検討が可能です。
【調査概要】
- - 調査対象:火災保険一括見積もりサービス「wismoney」利用者による見積もり依頼データ
- - 調査期間:2024年8月〜2025年7月
- - 集計方法:見積もり依頼フォームの『構造』および『水災補償希望(あり・なし・検討中)』をもとに分類
【wismoney(ウィズマネ)火災保険】
【会社概要】
- - 会社名:Mt.flowers株式会社(読み:フラワーズ)
- - 所在地:東京都江東区
- - 事業内容:火災保険一括見積もりサービス『wismoney火災保険』の企画・運営
- - URL:Mt.flowers