プロジェクトPaxが新たな段階へ
日本を代表する金融機関である商工組合中央金庫が、「Project Pax」に参加し、実務検証フェーズの開始が発表されました。このプロジェクトは、クロスボーダー送金におけるステーブルコインの活用を目指し、特に中小企業にとっての国際取引の利便性向上を図るものです。
背景と目的
「Project Pax」は、Swiftを中心とした既存の金融インフラを生かし、様々な規制や運用上の障害を克服することを目的としています。これまでのフェーズ1では、技術的な可能性を探るためのプロトタイプが開発され、Swiftと連携した送金の技術的実現性が確認されました。そして今回のフェーズ2では、実際の送金実務により近い形での検証を行い、商用化に向けて具体的な課題を洗い出していくことが求められています。
商工中金の役割
商工中金の参画は、特に国内中小企業の海外展開を支援するための重要な一歩です。同金庫は、貿易取引を通じた送金業務に豊富な経験を有し、それに基づく助言やレビューを提供します。これにより、金融機関同士の連携が深まり、よりスムーズな国際送金システムの実現が見込まれます。
フェーズ2の内容と期待される影響
実務検証フェーズでは、商工中金などの参加金融機関が「Project Pax」で構築される基盤を用いて、具体的なシステムおよびオペレーションの実現可能性を探ります。これにより、商用システムの導入ハードルが低くなり、より多くの金融機関が参加することで、クロスボーダー送金の高度化が進む期待が寄せられています。
商工中金のコメント
商工中金の高畑常務執行役員は、「このプロジェクトへの参加を通じて、全国の中小・中堅企業の貿易取引を支援し、より利便性の高いサービスを提供できると信じている」と述べています。そして、プロジェクトの成功がさらなる成長支援に繋がることを目指しています。
今後の展開
「Project Pax」は、2025年4月から実際の検証を開始する予定です。商用化へ向ける中で、参加金融機関や対象地域を拡大しつつ、国際決済のグローバルスタンダードを構築していく方針です。このプロジェクトが、国際送金の新しい道を開くことを期待されています。