日本の近代皇室を彩った高島屋の業績と文化の歴史展

高島屋史料館での特別展「Imperial Warrant 皇室の御用達」

1831年、京都にて創業した高島屋は、時代の変化と共に進化してきました。特に明治維新後、洋風建築が増えていく中で、装飾業に対する需要が高まりました。窓掛や壁掛などの室内装飾織物について、多くの要望が寄せられるようになりました。

1887年、高島屋は皇居の再建に伴い、装飾織物の納入を任されました。これが契機となり、以後は宮城や諸官省からの受注が相次ぎ、1897年には「宮内省御用達」の認可を受けるまでになりました。高島屋の御用は年々拡大し、特に皇室への納品は、高島屋の名声を高める要因となりました。

皇居造営と室内装飾

この展示では、明治時代からの皇居造営の御用にとどまらず、多彩な室内装飾織物を紹介しています。高島屋初の即位礼である大正大礼の際には、数々の美しい旗が即位式を華やかに彩りました。特に高島屋が製作した萬歳旛は、その精緻な作りで知られ、式典の重要な装飾品となりました。

宮内省御用達の指定

1897年、高島屋は「宮内省御用達」としての地位を確立し、そっからの依頼は多岐にわたります。御料車の装飾や、皇后の衣装素材、さらには東宮御所の内部装飾に至るまで、皇室からの信任が厚く、様々なビジョンを形にする役割を果たしました。この章では、実際の展示物を通じて、その多様な御用を振り返ります。

大正・昭和大礼の栄光

1915年の大正大礼では、高島屋が調度品御用を拝命し、多くの旗や衣装が華やかに式典を彩りました。このときの経験は、1928年の昭和大礼においても引き継がれ、伝統が受け継がれています。本展では、これらの歴史的な瞬間を彩った作品が展示され、過去の栄光を再訪することができます。

特別展示と講演会の開催

高島屋史料館では、特に注目される中山冝一の図案集『國華』も特別展示されます。この図案集は、高島屋の御用を遂げた作品として多くの人々に親しまれています。また、イベントとして講演会も開催され、興味深い話を聞くことができる機会が用意されています。

開催概要

本展は「リニューアルオープン5周年記念展」として、2025年9月6日から12月22日まで開催されます。展示内容は第Ⅰ部と第Ⅱ部に分かれ、会期中に作品が入れ替えられます。入場は無料で、各種講演会や学芸員によるギャラリートークも行われるので、ぜひこの機会に文化を深く味わってみてはいかがでしょうか。

高島屋の歴史と、その社会への貢献を知り、皇室の御用裂の世界を通じて日本の伝統に触れる豊かな体験が待っています。この特別展をお見逃しなく！