株式会社イノベーション総合研究所が実施した調査により、新規事業に関与する888人からの貴重なデータが得られました。この調査は、経営層と合意した新規事業のKPI(重要業績評価指標)が、どのくらい実際の評価に役立っているかを分析しています。
調査結果によれば、顧客ヒアリングやPoC(実証実験)の段階にいる担当者の約75%が、数値目標を定期的に確認していました。しかし、経営層と合意した目標が、事業評価に活用されているのは、PoC段階でわずか20.5%と、思わぬ低さでした。この現状は、多くの企業が抱える課題を浮き彫りにしています。
PoCを経て事業化の判断をする際、受け取るフィードバックは次のステップへの意欲を湧かせる一方で、実際には「次は何を確かめるべきか」という疑問を生じさせることがあります。利用者の反応は必ずしも投資判断に直結するわけではないため、事後にどのように評価を整理し、報告するかが鍵となります。
このような問題意識をもとにイノベーション総研が開発した「PoC事業化判断キット」では、検証結果をもとに未確認事項と経営層に判断を仰ぐ内容を効率的に整理するためのツールを提供しています。このキットには、PDF形式で記録の形式や記入例が含まれています。
「PoC事業化判断キット」を活用することで、希望する結果を達成するために、どの情報が不足しているかを明確にしやすくなることが期待されます。このキットは、検討すべき事項と、それに基づく判断材料を経営層と事前に話し合う材料としても役立ちます。
調査の結果から、多くの担当者が「継続するか撤退するか」「方向転換するか」といった重要な選択に対する基準が曖昧であると感じており、これが意思決定の妨げになっていることも明らかになりました。PoCフェーズでのデータだけではなく、次のステップに必要な情報も考慮することで、経営層へスムーズに報告することが可能になります。
また、事業化への具体的なステップを決める際、利用者からのフィードバックだけでなく、実際に費用がどの程度かかるのか、見込まれる利益はどのくらいかといった情報を、事前に整理しておくことが求められます。これによって、経営層は投資判断をする際の材料を得やすくなります。
イノベーション総研は、PoCから事業化へと進むにあたって、数字とその背景をしっかりと結びつけることを提案しています。「PoC事業化判断キット」は、検証内容のトレースに役立つ資料であり、企業にとっては非常に有用なツールとなるでしょう。無駄な投資を避けるためにも、事前の準備と計画が大切です。
このように、事業化を視野に入れた新規事業の取り組みには、しっかりとした数値目標の設定と、その運用が不可欠です。イノベーション総研が提案する手法を用いることで、多くの企業が新規事業の課題を乗り越え、成功に導く道が開かれることが期待されます。