AdipoSeedsが資金調達
2022-12-12 06:30:01
慶應発ベンチャーAdipoSeedsが16億円調達、再生医療の新たな地平を拓く
慶應発ベンチャーの新たな挑戦
慶應義塾大学から生まれたベンチャー企業の株式会社AdipoSeeds(東京都港区)は、脂肪組織由来の多機能血小板ASCL-PLCの事業化に向けて、16億円の資金を調達しました。この資金調達は、第三者割当増資によって実施され、複数の投資事業有限責任組合がその割当先となっています。
ASCL-PLCとは何か?
ASCL-PLC(ASCL由来血小板様細胞)は、間葉系幹細胞由来の新しい血小板であり、主に難治性皮膚潰瘍や血小板輸血に関する課題を解決することを目指しています。この新しい技術は、廃棄されがちな脂肪組織から創出されるもので、安価かつ安全に供給可能な血小板製剤として期待されています。
資金使途と今後の展望
今回調達された資金は、ASCL-PLCの治験準備を加速させる重要な資源となります。また、AdipoSeedsは新たにPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)療法に関する事業の開始も予定しており、そのための受託事業も2023年7月から展開する見込みです。
投資家たちの期待
出資を行ったDCIパートナーズの成田社長は、AdipoSeedsが着実に成果を上げていることに喜びを表し、今回の資金調達が研究開発の加速につながると期待を寄せています。また、ニッセイ・キャピタルの井本シニアキャピタリストも、同社の技術が社会課題の解決に貢献することを期待しており、その挑戦に共に携わることができることに誇りを感じています。
さらに、SMBCベンチャーキャピタルの駒橋次長は、AdipoSeedsが持つ革新性とその社会的意義に惹かれ、成長を支援する意向を表明しました。廃棄される脂肪から血小板を製造するこの技術は、再生医療の分野で大きなインパクトを持ちうるとされています。
AdipoSeedsのミッション
AdipoSeedsは「脂肪から血小板をつくり、新しい血液の流れを創る」をミッションとして掲げ、少子高齢化が進む中で増加する血小板不足という問題の解決に取り組んでいます。同社の目指すのは、献血に依存せず安全で安価な血小板製剤を供給する世界です。これにより、医療現場での治療行為がより手軽に行える未来を創造することが期待されます。
研究開発と社会的影響
AdipoSeedsは、再生医療に必要な血小板製剤の実用化を目指し、医療応用可能な技術を進化させていく方針です。この取り組みは、特に医療現場での大きなニーズに応えるものであり、多くの患者のQOL(生活の質)向上にも寄与することでしょう。
医療の発展に向けたAdipoSeedsの挑戦は、投資家たちからの期待も相まって、新たなイノベーションの創出を引き起こしています。これからの展開に目が離せません。
会社情報
- 会社名
-
株式会社AdipoSeeds
- 住所
- 東京都港区三田1-4-28三田国際ビル10階
- 電話番号
-
03-3451-0730