債務整理の最新調査から見えた利用実態とその効果とは

2025年2月度債務整理利用実態調査結果

2025年2月7日から17日にかけて、アドバイザーナビ株式会社が実施した債務整理に関するユーザーアンケートの結果がまとまりました。この調査は247名を対象に、債務整理の利用状況や選ばれる理由、感じる効果について幅広く分析したものです。

利用先の選び方

調査によると、人気の相談先として「はたの法律事務所」や「アディーレ」が多く挙げられました。これらの法律事務所が選ばれる主な理由には、トータルコストの安さや口コミの評判が大きく影響していることが示されました。具体的には、特に費用の支払い方法、すなわち分割払いの可否も重視されています。

借金の背景

最も多い借金の理由は「生活費の補填」で、なんと48.2％がこの選択肢を選びました。続いて「ギャンブル」12.6％、「住宅ローン」7.7％という結果です。このことから、日常生活の中での経済的な苦境が、債務整理を必要とする大きな要因であることがわかります。

借入先の傾向

借入先としては、「クレジットカードのキャッシング」が45.3％で最も多く、次いで「消費者金融」29.1％、「銀行カードローン」23.1％という結果が得られました。このことは、身近なキャッシングサービスへの依存が強いことを示唆しています。

借入額の分布

調査は借入額についても分析し、最も多かった部分は「5万円未満」の29.6％でした。しかし、驚くべきことに「101〜300万円」も21.1％と無視できない数値を示しています。これは、少額から中額の借入が多く見られることを意味しています。

知識と認知

債務整理の概念を知っているかという問いには、87.9％が「はい」と回答しました。この知識は、債務整理を考えるきっかけにもなるため、今後の啓発活動やサポートの重要性がさらに高まることが期待されます。

債務整理の選択肢

次に、債務整理の方法においては、圧倒的多数で「任意整理」が72.5％を占め、多くの人々がこの形を選んでいます。その次に「個人再生」や「自己破産」が続きましたが、特定調停は極めて少数派となっているのが特徴的です。

減額効果と満足度

債務整理を実施した結果、借金がどの程度減額できたかという質問に対して、「10万円未満」が49％と過半数を占めました。一方で「11〜30万円」が20.6％、そして「31〜50万円」も11.7％と続き、一部の回答者からは300万円以上の減額を報告する声もありました。

債務整理を経て「良かった」と感じた人は87％にも上り、大多数がその効果を実感していたことが分かります。中でも「返済額や利息が軽減された」という理由が最も多く寄せられ、精神的な負担の軽減や生活の再建がユーザーにとって特に大きな意味を持っていることが理解できます。

ネガティブな声

一方、債務整理を実施しなければよかったとの意見は、わずか6名にとどまり、その理由も多様です。「返済額が減らなかった」や「その後の生活に支障が出た」という具体的な不安が見受けられました。いくつかのケースでは、期待通りの減額が得られなかったとの残念な声がありました。

今後の課題

この調査の結果を踏まえると、債務整理に対する周知が進む一方で、手続きの円滑さや費用対効果についての改善が求められています。また、年々借金の背景には「生活費の補填」が多いことから、社会的なサポートや教育のあり方を見直さなければならない時期に来ているかもしれません。

以上のような債務整理の実態を踏まえ、今後もさらなる情報提供と支援が不可欠です。個々のケースに応じた柔軟なサポートが、借金問題の解決につながることが期待されます。