IBMとオラクルが協力しAIとハイブリッドクラウドの推進を強化
2025年5月6日、ニューヨーク州アーモンクから発表されたニュースによると、IBMとオラクルは新たに技術的なパートナーシップを拡大し、IBMの主要AI製品であるwatsonxをOracle Cloud Infrastructure(OCI)で提供することを正式に発表しました。この動きは、企業全体でのマルチエージェント型AIの導入を促進し、AIを駆使した生産性と効率性の向上を目指すものです。
AI導入の急激な進化
現在の企業は、ビジネスプロセスにAIを積極的に取り入れ、進化する生成AIモデルやツールを活用しようとしています。複数のタスクをこなせるユーザーフレンドリーなAIエージェント群は、企業の様々な機能や業務においてAIの導入を促進し、業務の効率化を進める重要なツールとして位置づけられています。
OracleのAIおよびデータ管理サービス担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、グレッグ・パブリック氏は「AIは企業全体でシームレスに機能し、最大の価値を生み出します。IBMとの協力を強化することで、AIを活用したビジネス革命の新たな形を提供していきます」と述べています。
Watsonx Orchestrateでのマルチエージェントサポート
IBMは、オラクルや他のアプリケーションとの連携が可能なマルチエージェント・ビジネスプロセスを支援するために、「watsonx Orchestrate」を7月からOCI上で利用可能にすると発表しました。このプラットフォームは、Oracle Fusion Applications向けのOracle AI Agent Studioや他のAIサービスとの連携が可能で、エコシステム全体の機能を強化します。
最初のユースケースには人事領域が選ばれ、多くの企業が要求するデータやAIをOCI上で管理することが可能になります。IBMのAIエージェントは、様々なクラウド環境に適応し、より柔軟な運用を実現します。
Oracle Data ScienceでのIBM Graniteモデル
オラクルは、IBMのAIモデル群であるIBM GraniteファミリーをOCI Data Scienceで提供予定で、効率よく活用できるオープンソースのGraniteモデルが新たに登場します。特に、企業のニーズに応じた多様な選択肢を提供し、データサイエンスの促進に寄与します。
IBMエコシステムの拡充
IBMはオラクルとの連携により、企業がAIエージェントを使いやすく、導入・管理をしやすくする支援を行います。IBMのシニア・バイス・プレジデント、カリーム・ユセフ氏は「私たちの技術の統合を通じて、より効果的にビジネスにAIを持ち込む方法をご提案します」と強調しています。
さらに、IBM Envizi ESG SuiteもOCIでの提供を予定しており、企業の環境、社会、ガバナンス(ESG)データの管理を含む持続可能なビジネスの実現に向けたサポートが期待されています。
コンサルティングサービスの拡充
IBMはまた、OracleのAIエージェントを活用したコンサルティングサービスも拡充しました。これにより、企業は複数のプラットフォームでAIエージェントを導入し、ビジネス・プロセスを革新するための支援が受けられます。特に、AIエージェントは企業のオペレーティングモデルに変化をもたらし、従業員体験の向上にも寄与します。
エージェント型AIの未来
企業がAIの導入を進める中で、エージェント技術が重要な競争優位性になることが期待されています。エージェントは異なるシステムやプロセス間での相互作用を可能にし、生産性を飛躍的に向上させるとされています。IBMとオラクルの連携による新たなアプローチは、業務の進め方を変え、企業の成長とイノベーションを推進する大きな力となるでしょう。
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