2024年の日本株式市場を振り返る「乱」と「変」の影響を探る

2024年の日本株式市場を振り返る

2024年、日本株式市場は「乱」と「変」に象徴される激動の一年でした。この年、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が実施した調査では、全国の投資経験者を対象に、今年の市場についての意識が探られました。特に、投資の実態や来年以降の見通しが重要なテーマとなりました。

今年の市場を象徴する漢字

調査の結果、2024年の日本株式市場を表す漢字は1位が「乱」、2位が「変」となりました。これには投資家たちの間で、株価の激しい変動や国際的な政治経済環境の変化が強く影響しています。「乱」の選択理由には、株価が乱高下したことや、不安定な相場の状況が挙げられました。また、「変」という漢字は、制度改革や世界各国のリーダー交代を反映した結果です。

投資の実態

調査では、全国の20～79歳の投資経験者1,000人の回答が集まりました。その中で、現在も投資を行っている投資家の割合は82.9%と高水準を維持し、今年投資を始めたという20代の割合は32%に達しました。一方、過去に投資を経験したが現在は行っていない人は17.1%で、若者を中心に新しい投資家の増加が見られます。

投資資産についての調査では、「日本株式」が58.1%の支持を集め、次いで「投資信託」が56.8%でした。特に20代・30代では「投資信託」の人気が根強く、若年層の金融リテラシー向上を示しています。男女別では、日本株式に対する投資意欲が男性の方が高い傾向が見受けられました。

ESG投資やNISAの利用状況

近年注目されるESG（環境・社会・企業統治）投資に対しては、投資家の35%が前向きな姿勢を示し、特に20代の男性が56%と高い支持を得ています。また、新たに始まったNISA制度に関しては71%の投資家が利用しており、特に30代男性でその利用率は83%に上ります。これにより、税制優遇を活用しようとする姿勢が顕著に見られる結果となりました。

投資家が選ぶ2024年のトレンドと見通し

今年、投資家が選んだ経済分野の流行語は「新NISA」で、関連する投資が活発化している様子が伺えます。また、2024年の投資損益についてはプラスで着地するとの予想が61.9%に達し、これも昨年より上昇しています。

過去の市場の変動に対する若者の反応は、特に敏感で、34%が株価の急落時に資産を買い増ししたと回答。自信を持って市場に向き合う姿が印象的です。

2025年以降の展望

未来に目を向けると、81.4%の回答者が物価の高騰抑制を最重要課題として挙げ、持続的な賃金上昇や円安対策に期待が寄せられています。また、テクノロジー関連の産業が今後の成長の基盤と見なされる中、特に「知能化技術」や「先進医療」に期待感が高まっています。

投資家のスタンス

最後に、与党の過半数割れやアメリカ大統領選挙が日本市場に及ぼす影響についての見解を求めたところ、例年に比べて楽観的な意見が多く、2025年の市場動向にポジティブな影響が期待されています。全体的に見て、2024年の年を踏まえたうえで、2025年以降の市場がどう変わるのか、その注視が求められるでしょう。