「時間の湯治」プログラムで新たな発想を育む
岩手県北上市に位置する「夏油温泉観光ホテル」が、屋外の雪景色が魅力的な冬期を利用した新企画を展開します。「その企画、ねかせませんか?」と題されたこのプログラムでは、参加者が自らの企画書や原稿、積読本などをホテルに預け、そのまま半年間熟成させることができます。そして春の再開時に、再びその企画と向き合うことで新しい発想を得ることを目指します。
プログラムの背景と狙い
毎年11月から5月までの間、夏油温泉観光ホテルは豪雪の影響で営業を休止します。この閉鎖期間を「静寂」と「時間の止まる感覚」を経験できる貴重な機会へと変換することが、このプログラムの狙いです。参加者はどのようなものを預けることができ、またその預ける目的は何かを理解することで、創造的な時間を得ることができます。
「今は少し寝かせたい」と思っていた企画書や原稿、また購入したものの後回しにしている積読本など、さまざまなアイテムをホテルの書棚に預けることができます。この「時間の湯治」プログラムは自然のサイクルと共に進み、再開時に新たな豊かさをもたらします。
参加方法と保管内容
このプログラムの参加方法は非常にシンプルです。まず、「夏油温泉観光ホテル」の公式LINEアカウントに登録し、トークメッセージで「時間の湯治 参加希望」と送信します。その後、スタッフからの指示に従って手続きを進めます。
保管できるものは、企画書や原稿、ノート、書籍など通常の創作活動に関わるアイテムです。ただし、金銭や貴重品、データ媒体、生鮮食品、液体、臭気を伴うものなどは禁止されていますので注意が必要です。保管は無料で行われますが、プロジェクトへの応援金は大歓迎とのことです。
注意事項と準備
参加者はまず、冬の寒さに対する準備をしておくことが重要です。部屋の温度や湿度が低くなるため、湿気対策を施した箱や封筒での保管をお願いしています。ホテル周辺は積雪が3メートル以上にも達し、特に外気温は氷点下に下がることがあるため、適切な対策が求められます。
再会の特別な瞬間
預けたものは、2026年の春、ホテルが再開するタイミングで「再会の儀(仮)」というイベントを通じて返却される予定です。具体的な受け取りは、ホテルの営業開始後に現地で本人が行う必要があります。
未来への展望
GETO Village Inc.は、夏油温泉観光ホテルの再開を2026年度へと目指し、様々な新たなプログラムを計画しています。その中で失われつつある温泉文化を継承し、地域の新たな利活用を進めることが目標です。また、都市部と地方が繋がる持続可能なコミュニティの構築に向け、様々な方々との協力も進めています。この取り組みを通じて、参加者も新しい創造の一歩を踏み出すことができるでしょう。