新たなリハビリ技術、ウーベルトの登場
岩手県盛岡市に本社を置く株式会社東北医工は、能動型手用他動運動訓練装置『ウーベルト®』の製造販売承認を取得したことを発表しました。これは、片麻痺を抱える患者のために特化した医療機器で、関節の癒着や拘縮予防、さらには関節可動域の改善を促進する目的で開発されています。ウーベルトの革新的な技術は、リハビリテーションの質を大きく向上させることが期待されています。
ウーベルトの仕組み
ウーベルトは、特別なロボットハンドを使って麻痺した手を固定し、モーターがアシストする形でリハビリテーションを行います。患者の指を屈伸させることで、指の機能を回復する手助けをするのです。この装置の最大の特長は、簡単に装着でき、短時間でリハビリをスタートできる点です。
開発の背景とニーズ
日本では人口の高齢化が進み、脳血管障害の治療を受ける患者も増加しています。厚生労働省の調査によると、現在、脳血管疾患で治療を受けている患者は約188万人にのぼり、その中には多くの片麻痺患者が含まれています。リハビリテーションのニーズが急増している中で、ウーベルトは手指のリハビリを支える新たな選択肢として期待されています。
具体的な機能と特徴
ウーベルトには、以下のような特長があります。
1.
簡単な装着方法
専用機器の装着は不要で、ロボットハンドに手を入れるだけで使用可能。これにより、患者はすぐにリハビリを始めることができます。
2.
自律型リハビリテーション
リーダフォロワ方式を採用し、正常手を動かすことで麻痺手も同じ動きをする仕組みです。内蔵カメラで記録した映像を使い、脳の神経回路を刺激します。
3.
楽しめるゲーム感覚
リハビリをより楽しくするために、ゲーム機能を搭載しています。この機能により患者は自らのリハビリに積極的に取り組むことができます。
4.
国内開発・製造
ウーベルトは日本の技術で開発され、全て国内で製造されています。これにより、品質の高い医療機器が提供されます。
今後の展望
ウーベルトの販売が予定されているのは2025年3月3日です。この新しい医療機器は、国内市場に留まらず、海外市場への展開も計画されています。リハビリテーション専門職の負担を減少させるとともに、患者自身のQOLを向上させることを目指しています。
株式会社東北医工について
株式会社東北医工は、岩手大学や東北大学との連携により、革新的な医療機器の開発を進めています。これからも地域に根ざした医療の発展を目指し、挑戦を続けていく所存です。