はじめに
製造業の現場では、日々の業務をこなす中で検査記録や日報の作成に追われています。急な仕様変更や品質管理のノウハウがベテランの経験に依存している状態も多く見受けられます。こうした中、株式会社シクミは「製造業がAI導入でつまずく5つのパターンと回避法」という実務ガイドを無料で公開しました。本記事では、このガイドの内容をまとめ、製造業におけるAI導入のポイントについてご紹介します。
製造業がつまずく理由
株式会社シクミの調査によれば、製造業界でAIツールを導入したものの数ヶ月後にはその利用が減少する傾向があります。原因は、ツールを「使う」で終わってしまい、「業務に組み込む」まで進んでいないことにあります。ガイドでは、現場の状況を改善するための具体的な方策として、以下の2つの視点を挙げています。
1. 始める場所を選ぶ
「使いやすい業務から始めてしまう」と、忙しさが減ることはありません。また、判断が必要な業務にいきなり丸ごとAIを任せることもリスクです。そのため、まずは「何に時間を使ったか」を1週間記録し、確認しやすい業務から始めることを推奨しています。
2. 続ける仕組みを作る
確認ルールがないためにAIの間違いを見逃してしまったり、繁忙期に元のやり方に戻ってしまうケースも多いです。「どこを人が確認するのか」を事前に決め、月に一度振り返りを行うことで、業務の型を育てることが重要です。
AI導入の効果を最大限に引き出すために
AI導入に成功するためには、ただツールを導入するだけでは不十分です。具体的には次の3つの設計が必要です。
1.
業務の分解 - どの作業をAIに任せるかを具体的に決めること。
2.
確認ルールの設計 - 誰が、どのように間違いをチェックするかを明確にすること。
3.
定着の仕組み - 繁忙期にも運用が続けられるようにすること。
これらを考慮しながら、実際に導入するプロセスを整えていく必要があります。
なぜAI導入が必要なのか
AIは「優秀な新人スタッフ」として捉えることができます。たとえば、検査記録や日報の入力、帳票の読み取りをAIが担うことにより、作業時間の大幅な短縮が期待できます。具体的には、手書きの記録をAIが読み取り、集計を自動化することが可能です。これにより、管理者は異常値の確認に専念できます。
具体例としての導入フロー
AI導入を成功させるためには次のようなステップが有効です。
1.
診る - 受注から出荷までの業務を棚卸しし、時間を計測します。
2.
組む - 優先順位に基づいて業務の流れを描き直し、ツール選びを行います。
3.
試す - 一つの業務を選んでテストを行い、間違いが出た箇所を記録します。
4.
回す - 訓練とマニュアルを作成して「全員が使える」状態にします。
支援実績
シクミが支援した現場では、独自基準による情報リサーチの時間が約2〜3時間から10分に短縮され、業務の効率が飛躍的に向上しました。このように、AI導入によるメリットは実証済みです。
まとめ
製造業におけるAI導入は、ただツールを導入するだけでは成功しません。シクミの提供するガイドに沿って、業務への組み込みを意識した対応が求められます。無料で公開されているこの資料をぜひ活用し、AI導入による業務改善を目指していただきたいと思います。