ISO 30414邦訳版発行
2025-10-29 14:29:24

人的資本管理に関する国際規格ISO 30414の邦訳版を発行

人的資本管理に新たな一歩、ISO 30414:2025の邦訳版発行



一般財団法人日本規格協会が、2025年10月15日に「ISO 30414:2025ヒューマンリソースマネジメント-人的資本のレポート及び開示の要求事項及び推奨事項」の英日対訳版を発行しました。この規格は、企業が従業員を資本として捉え、その情報を開示するための基準を提供します。

人的資本とその重要性


人的資本とは、従業員が持つスキルや能力といった資源を指し、企業の成長に不可欠な要素となっています。近年、投資家は企業の成長力を見極めるため、人的資本に関する情報開示を求める傾向が高まっています。このような背景のもと、ISO 30414は人的資本の透明性と信頼性を高めるものとして位置付けられてきました。

ESG投資の関連性


また、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が注目される中で、人的資本は「社会」に関連する重要な要素と見なされています。投資家は、企業の社会的責任や持続可能性に対する取り組みを重視し、その一環として人的資本の義務的な開示を求めています。

ISO 30414の背景


アメリカの証券取引委員会(SEC)が2020年に上場企業に対し、人的資本の情報開示を義務化したことは、この流れの一因です。この取り組みによって、日本国内でもISO 30414への関心が高まり、人的資本に対する管理と報告が求められるようになりました。

ISO 30414:2025の特徴


今回発行されたISO 30414:2025には、以下のような特徴があります:

1. 必須指標の設定
従来のガイドラインとは異なり、14の指標が「必須指標」として明確に位置づけられ、企業はこれに従った情報開示が求められます。

2. 指標の拡充
社会の変化に合わせ、指標数が58から69に増加し、人権、労働、健康などの領域が強化されています。

3. プライバシーとデータセキュリティの強化
従業員データのプライバシー保護やセキュリティに関するガイダンスが強化されています。

4. より多くの組織への適用
中小企業や非営利組織も対象となり、開示ガイドラインが充実しました。

5. 連結開示の推奨
グループ全体での人的資本開示が推奨されるようになっています。

結論と今後の展望


人的資本は企業にとっての宝であり、その管理と開示は今後ますます重要になってくるでしょう。ISO 30414を通じて、企業は自身の人的資本に関する情報を透明に開示し、投資家や社会との信頼関係を築いていくことが求められています。今後、ISO 30414を基にした人的資本の管理が、企業の競争力を大いに向上させることが期待されます。


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一般財団法人日本規格協会
住所
東京都港区三田3-11-28三田Avanti
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