価格転嫁率が低下
2026-08-28 10:31:45

企業の価格転嫁率が再び低下、コスト上昇に歯止めかかる

最近の調査によれば、日本の企業における価格転嫁率は39.9%となり、再び4割を下回った。この調査は株式会社帝国データバンクが全国の22,350社を対象に実施したもので、最近の物価上昇が企業経営にどのように影響しているかを探るものです。コストの上昇に伴い、企業はどれだけ価格に転嫁できているのかを明らかにすることが目的です。実際、78.5%の企業がコスト上昇に対して『多少は価格転嫁できた』と回答している一方で、満足のいく転嫁を実現していない企業も少なくありません。特に小規模企業では、取引先の力関係や市場競争が影響し、価格転嫁が難しい状況が続いています。

調査の結果、具体的な価格転嫁率は39.9%であり、これが前回から2.2ポイントの低下を示しています。大企業の転嫁率は41.6%であるのに対し、中小企業は39.7%、小規模企業は38.3%となっており、企業の規模が小さくなるほど転嫁率が低下しています。これは小規模企業が持つ取引先との力関係や資源の制約が、価格転嫁を妨げていることを反映しています。

業種別に見ると、化学品卸売や鉄鋼業などの業種は比較的高い転嫁率を示しているものの、食品小売や飲食店などの消費者に近い業種は転嫁に苦しんでいるという報告があります。これにより、消費者と直接接する業種ほど、コスト上昇を容易に価格に反映できないことが示されています。これらの業界では、価格が上昇すると集客に影響が出るため、価格を上げることに対する抵抗感が強いという意見が多く見られます。

さらに、コスト上昇の中でも根本的な対策が行われないと、企業は自らの利益を圧迫し、賃上げや人材確保が困難になる恐れがあることも懸念されています。例えば、人件費は賃上げや採用コストが続く一方で、価格に転嫁できる割合は低く、企業の長期的な経営に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

調査では価格転嫁までの期間に関して、26.3%の企業が『短くなった』と回答しており、全体的に企業はコストの上昇に生じた価格改定を迅速に実施する方向に進んでいます。しかし、円安や国際的な情勢によるコスト上昇が続く中で、価格転嫁率自体が改善されていないのは、企業が充分に利益を確保できていないことの表れとも取れます。

今回の調査結果から、企業は単独での対応に限界があることが見て取れます。発注元と受注元の間で定期的な価格協議を行い、持続的な価格見直しを行う仕組みが必要とされています。特に、原材料費や人件費、物流費の変動に適応した価格設定を行うことが、企業の持続可能性を保つための鍵となるでしょう。このような経営環境を整備することによって、企業は将来的な利益を確保し、雇用の安定化を図ることが求められています。


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