武蔵野大学が推進する伝統芸能の体験型学修
武蔵野大学では、「授業改善トライアル」という独自の教育支援制度を用い、学生たちが日本の伝統芸能を実際に体験する機会を提供しています。今年の特別ゼミでは、文学部日本文学文化学科の学生たちが、能や日本舞踊をテーマにした「山姥」について学びました。この試みは、学生が真に日本文化の奥深さを理解し、伝統芸能への関心を深める貴重な場となりました。
特別ゼミの概要
この特別ゼミは全7回にわたって実施され、能楽や歌舞伎、文楽などを専門とする教授陣の指導のもと、学生たちは「山姥」をテーマにした研究を行いました。ゼミには、三浦裕子教授と金子健准教授が携わり、中世と近世の異なる芸能の視点から「山姥」について学びました。
最初の4回は、学生たちによる研究発表を行い、日本の伝統芸能における山姥像の理解を深めました。その後、プロの能楽師や日本舞踊家から実技指導を受け、最終回には「能〈山姥〉の仕舞や狂言語り」そして「日本舞踊〈花へんろ〉」の実演を鑑賞しました。
実演の魅力
実演では、能楽師や日本舞踊家、邦楽囃子演奏家が参加し、学生たちに専門的な知識と技術を伝えました。特に、仕舞や狂言語りの実演は迫力があり、学生たちには本物の芸の舞台を能楽師から直接学ぶ貴重なチャンスとなりました。
学生の反応
参加した学生たちは、「プロの実演は非常に迫力があった」「初めて見た日本舞踊は感動的だった」と感想を述べ、しっかりとした知識と共に実演の魅力を体感しました。座談会では講師陣からの質問に答えながら、自らの理解を広げる機会も得られました。
質の高い教育の実現
この「授業改善トライアル」は、武蔵野大学が平成28年度から導入している独自の試みであり、従来の枠組みでは実現しにくい新たな学びを支援しています。近年では、AIを活用したプログラムや実践型授業など、多様な授業設計が採択されています。
武蔵野大学は、将来を見据えたクリエイティブな人材の育成を目指し、これからもこうした先進的な教育プロジェクトを推進していくことでしょう。日本の伝統芸能を通じて、忘れがたい学びを提供するこのような取り組みは、非常に意義深いものです。
武蔵野大学の教育理念
建学の精神をもとに、武蔵野大学は学生に生き生きとした学びを提供することを重視しています。創立から約100年を迎える段階で、新たな学部の設立やカリキュラムの革新を図り、学生の多様なニーズに応えようとしています。
今回のゼミを通じて、学生たちは「山姥」という伝承の背後にある文化的価値を学び、今後の学びを深めるための土台を築くことができたのです。これからの日本の文化を担う人材として、それぞれの道へと進んでいくことでしょう。