株式会社ミツトヨと次世代半導体パッケージングの未来
株式会社ミツトヨは、川崎市高津区に本社を構える企業で、次世代半導体パッケージの共創型コンソーシアム「JOINT3」に新たに参画しました。このコンソーシアムの目的は、材料、装置、設計企業が協力し、パネルレベルの有機インターポーザーに適した新たな材料や装置、設計ツールの開発を加速させることです。
JOINT3の誕生とその意義
JOINT3は、株式会社レゾナックが設立したプラットフォームであり、今急速に拡大している生成AIや自動運転技術を実現するために不可欠な半導体の後工程におけるパッケージ技術がキーテクノロジーとなることを見据えています。これにより、特にデータ通信の能力が求められる2.xDパッケージの需要が今後さらに増加する見込みです。このような背景の中、ミツトヨはこの動きに参加し、業界のリーダーとしての役割を強化することを目指しています。
インターポーザーの進化
インターポーザーは、半導体の性能向上に伴ってそのサイズが大きくなっています。このサイズ増加により、現在主流のシリコンインターポーザーから有機インターポーザーへの移行が加速しています。例えば、円形のウェハを利用している製造方法では、インターポーザーのサイズが大きくなることで、ウェハあたりのインターポーザーの取り数が減少するという課題が発生しています。そこで、ウェハの形状を円形から四角形に変更する新しい製造プロセスが注目されています。これにより、インターポーザーの取り数を効率的に増やし、製造コストの削減や生産効率の向上が期待されています。
ミツトヨの役割と貢献
ミツトヨは、先端パッケージにおける微細構造や多層配線の高精度な測定に長けており、国内外の半導体関連企業と広く連携しながら、後工程分野での信頼性評価や品質保証を支える測定技術のパートナーとしての地位を確立しています。
本コンソーシアムを通じて、ミツトヨは先端パッケージに求められる多様かつ高精度な計測の課題に対するソリューションを提供するとともに、他の参画企業と共に新しい計測技術の開発に取り組むことを意義深く捉えています。更に、持続的な技術革新を通じて、顧客の価値を最大限に引き上げる努力を惜しまない所存です。
JOINT3の概要
JOINT3は、現在27社が参画しており、その中にはレゾナックやキヤノン、3Mなどの著名企業が含まれています。拠点は、茨城県結城市にある先端パネルレベルインターポーザーセンターや神奈川県川崎市のパッケージングソリューションセンターなどです。活動内容は、515 x 510mmの試作ラインを駆使し、有機インターポーザー向けの材料・装置・設計ツールの開発を行っています。さまざまな企業が共通の試作品を作成し、技術を磨くことで、業界全体の技術向上につなげていく予定です。
最後に
ミツトヨのJOINT3への参画は、次代の半導体テクノロジーの革新を促進する重要なステップです。これにより、パッケージング技術の進化を支える多くの企業と連携し、未来の半導体産業を担う技術革新の中心的役割を果たしていくことでしょう。