画期的なLLM-AIシステムの誕生
2024年、建築設計業界に革新をもたらす新たな試みが始まります。株式会社長谷工コーポレーション(以下、長谷工)と株式会社テクトムは協力し、「長谷工版BIM」と「Tektome」と呼ばれるAIプラットフォームを統合した新しい大規模言語モデル(LLM)システムの研究開発に着手しました。この取り組みは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、設計業務の効率を大幅に向上させることを目指しています。
「長谷工版BIM」の強み
長谷工の「長谷工版BIM」は、同社がこれまでに手掛けた70万戸以上のマンション施工実績に基づいて構築された、マンションに特化した3次元建物モデルです。このシステムは設計情報の一元管理を実現し、設計の品質と生産性を高めるだけでなく、情報を可視化することで意思決定を迅速化します。さまざまな図面や積算、シミュレーションなどを連動させる多角的な設計アプローチも可能にします。
LLM-AIシステムの研究開発の目的
本システムの開発は、長谷工のDX推進戦略の一環として位置づけられています。具体的には、以下の三つの段階を見据えています。
1.
統合データベースの構築:長谷工版BIMが保有するデータと外部データを一元管理できるデータベースを2024年内に完成させる。
2.
品質チェック機能の組み込み:設計仕様データを利用した自動的な品質チェック機能を段階的に導入する。
3.
自動設計機能の実現:自然言語による指示を基にした設計プロセスの自動化を目指します。
これにより、設計者はデータの入力や図面のチェックにかかる時間を50%削減できるという成果が期待されています。
AIによる業務効率化
この新しいLLM-AIシステムによって、設計業務の効率化が図られます。AIが人間の手作業を支援することで、設計者が自身の専門的な作業に集中できる環境が整っていきます。設計チームは、徐々にこの新しいシステムを取り入れ、実際の業務に活用していくことになります。
将来展望
長谷工グループは、DXの実現に向けての投資を積極的に進めており、これらの取り組みを通じてマンション事業全体の効率化や生産性の向上、そして働き方改革を実現することを目指しています。今後数年で、このLLM-AIシステムに基づく設計プロセスの進化がどのような結果を生むのか注目です。
長谷工とテクトムの協力は、建築業界に新たな可能性を切り拓くものとして、業界関係者からも大きな期待が寄せられています。引き続き、進捗に注目していきたいと思います。