放課後を変える一冊〜『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』
民間学童保育のパイオニアとして知られる東急キッズベースキャンプ(KBC)の代表、島根太郎氏が初めての著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』を発表しました。この書籍は、2025年5月9日にリリース予定で、子どもたちがどのように放課後を過ごすべきかを多角的に考察しています。
書籍の構成と内容
本書は、はじめに「放課後が人間力を育てる」というテーマから始まり、具体的には子どもたちにやる気や創造性を促すための方法論を展開しています。島根氏は約20年間、KBCを通じて培った体験を基に、放課後という時間をどう使うことで子どもたちの人生に良い影響を与えられるか、具体的な実践例を交えて具体化しています。
日本における「非認知能力」の重要性
特に注目されるのは、社会が求める「非認知能力」の向上に関する部分です。数値では表せない自己肯定感、主体性、そしてコミュニケーション力が、基礎学力や将来の収入にも影響を与えるということが、ノーベル経済学賞受賞者によっても明らかになっています。AIや自動化が進化する現代において、この非認知能力の育成がどれほど重要かを説いています。
余白時間の確保
島根氏は、子どもたちの成長において「余白」の時間の重要性を強調します。現代の子どもは、塾や習い事に追われ、放課後の自由時間が少ない傾向があります。「余白」の時間があることで、子どもたちは自分で考え行動する力を養い、主体性が育まれるのです。遊びや自己探求がもたらす発見が、彼らの未来を形作ると言います。
家庭で実践する人間力の育み方
KBCでは「コーチング」の手法を用いて、子どもたちの考えや感情を尊重しながら育成を行います。この書籍では、保護者向けに家庭でできる具体的なコーチング技術を紹介しており、日常でも実践できる内容が盛りだくさんです。傾聴や承認、質問の技術を通じて子どもの独自の思考を引き出す方法が解説されています。
島根太郎氏について
著者の島根太郎氏は1965年東京都目黒区の出身で、心理学に基づく教育プログラムや非認知能力の育成に情熱を注いできました。彼の取り組みは、家庭や地域での子育て支援にも広がりを見せており、多くの子どもたちに良い影響を与え続けています。
本書の意義
本書を通じて、家庭や学校とは異なる「サードプレイス」としての民間学童保育の役割が改めて明らかにされるでしょう。子どもたちが自ら考え行動できる力を育むために、どのように放課後の時間を意味あるものとしていくか。本書はそのための貴重な指針となることでしょう。KBCがこの理念のもとで展開している事業は、現在22の施設で受け入れを行っています。この全てが、未来の社会を担う子どもたちのことを考えた施策です。
これからの日本において重要な視点を提供する本書は、保護者や教育者にとって必読の一冊となるでしょう。書籍に込められたメッセージは、子どもたちの明るい未来を切り開くための大きな助けとなるはずです。