三井物産が米国のNuma社に出資、乗用車ディーラー向けAIツールの革新を推進

三井物産が米国Numa社に出資し、AIでディーラー業務を変革

三井物産株式会社は、米国のNuma社に出資し、生成AIを活用した乗用車ディーラー向けの業務変革ツールの開発を促進することになりました。この投資は、Numaが実施する第三者割当増資のシリーズBラウンドで、総額32百万米ドルの資金調達に参加する形で行われます。さらに、三井物産は戦略的なパートナーとして取締役を一名選任し、Numaとの関係を深めていく方針です。

Numa社の強み

Numa社は、乗用車ディーラーのさまざまな業務と顧客とのコミュニケーションを自動化・効率化するための独自のAIツールを開発しています。このツールは、電話やチャットを通じた問い合わせ応対、サービスの予約、顧客管理、タスク管理、ワークフロー設計など、広範囲の機能をカバーしています。特に、小規模な生成AIモデルを組み合わせることで、ディーラー業務の効率やサービスの質を大幅に向上させることが可能です。

実際の導入例として、Numaのツールでは顧客からの問い合わせに対する応対時間が90%以上短縮されるという効果が報告されています。従来、応対速度やスタッフの対応に差があったため、顧客満足度に影響を与えていたのですが、Numaの生成AI技術によって、この課題が解消されつつあります。

事業成長の実績

Numaは、アメリカとカナダで約500のディーラーにサービスを提供しており、非常に支持されています。また、2020年から2023年の間に売上が22倍以上に成長するなど、急速な発展を遂げています。これは、ディーラー業界におけるAI活用の潮流を的確に捉えた結果であり、Numa社の戦略的な位置付けを強化しています。

三井物産の今後の戦略

三井物産は中期経営計画2026の右肩上がりの成長を見据え、Industrial Business Solutionsを重視した戦略を展開しています。この出資を通じて、乗用車卸売や小売に関連する業務改革を加速させるとともに、NumaによるTech活用の流れを取り入れることで、次世代の自動車販売に向けた新たなビジョンを構築していくことを目指しています。

Numaの概要

Numaは、2016年に設立された企業で、米国デラウェア州に本社があります。共同創設者のタッソ・ロメリオティスがCEOを務めており、45名の従業員が在籍しています。Numaの公式ウェブサイトはこちらです。

このように、三井物産のNuma社への出資は、今後の自動車ディーラー業界におけるAI技術の浸透を促進させ、顧客満足度や効率化に寄与することが期待されています。