名古屋大学発のスタートアップ、アイクリスタルが4.5億円を調達し製造プロセスの最適化を推進

名古屋大学発スタートアップ、アイクリスタルが4.5億円を調達

名古屋市に本社を置くアイクリスタル株式会社は、製造業向けのプロセスインフォマティクス事業を展開しているスタートアップです。このたび、ジャフコグループ、SBIインベストメント、ディープコアを引受先とした第三者割当増資により、総額4.5億円の資金を調達しました。

資金調達の背景

アイクリスタルはAIを活用し、半導体製造プロセスを含む様々な製造プロセスの最適化を行っています。今回の資金調達は、優秀な人材の採用や、全体最適化を実現するための「メタファクトリー」の開発に投資することを目的としています。この取り組みは、製造業界の効率性を高め、競争力のある製品を生み出すことを目指します。

累計100プロジェクトを超えた成功

アイクリスタルは、これまでにプロセスインフォマティクスを活用した累計100プロジェクトを達成しました。その成果は、会社のウェブサイトでも公開されています。特に、半導体だけでなく非半導体領域でのプロジェクト数も増加しており、様々な業界のプロセスに精通していることから、高精度なデジタルツインを提供できると自負しています。これは、アイクリスタルが常に技術の最前線に立ち続けるための重要な要素です。

メタファクトリーの開発

アイクリスタルが開発を進めている「メタファクトリー」は、個別プロセスの最適化だけでなく、製造ラインや工場全体の全体最適化を実現するプラットフォームです。最近発表した成功事例では、SiウェーハからCMOSイメージセンサーまでの30工程を一気通貫で最適化し、従来品と比べて約70％のノイズ特性改善に成功しました。これは、製造プロセスの革新に向けた重要なステップです。

調達資金の具体的な使途

1. 優秀な人材の採用: 事業体制を強化するためのリソースを確保します。
2. メタファクトリーの開発と販売: 全体最適化を推進するためのプラットフォームを市場に展開します。

さらには、アクセンチュアの元幹部が取締役として就任し、事業体制強化にも貢献しています。

投資家の期待

ジャフコグループの高原瑞紀氏は、アイクリスタルの将来性を評価し、製造プロセスのデジタル変革に向けた挑戦を支援すると語ります。また、SBIインベストメントの本多大章氏も、同社の成長を期待し、半導体領域だけでなく広範な市場拡大を見込んでいます。ディープコアの左英樹氏も、サービスの機能強化と顧客導入の進展を高く評価しています。

アイクリスタルの今後

アイクリスタルは、プロセスインフォマティクス事業の成長を加速させるため、多様な採用活動を行っています。事業の理念である「すべてのモノづくりにインフォマティクスの力でプロセス革命を実現」するために情熱を持ったメンバーを募集。これにより、次世代の製造業の強化を目指しています。

詳細情報は、アイクリスタルのウェブサイトをご覧ください。