加藤財務大臣の記者会見:トランプ氏勝利と会計検査院報告、そして北朝鮮問題

加藤財務大臣の記者会見:トランプ氏勝利と会計検査院報告、そして北朝鮮問題



令和6年11月8日に行われた加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣の閣議後記者会見では、米大統領選でのトランプ前大統領の勝利や会計検査院の決算検査報告、北朝鮮問題など、幅広い話題が取り上げられました。

トランプ氏勝利への対応



加藤大臣は、トランプ氏の勝利についてお祝いの言葉を述べるとともに、アメリカが日本にとって最大の投資先であり主要な貿易相手国であることを踏まえ、貿易や金融市場を通じて日本経済や財政に及ぼす影響を注視していく必要性を強調しました。

また、日米関係の強化について、日米同盟を更により高い次元に引き上げ、投資拡大や経済安全保障分野における協力などを強化していく意向を示しました。

大臣は、トランプ氏との関係については、官房長官ではなく拉致問題担当大臣として、トランプ氏が拉致被害者のご家族とお会いされた際に立ち会った経験を語り、トランプ氏が拉致被害者ご家族一人ひとりの心に寄り添う姿に感銘を受けたことを明かしました。

会計検査院報告への対応



会計検査院の2023年度決算検査報告では、2022年度補正予算で計上された34事業、計1兆4000億円余りが全額使用されずに翌年度に繰り越されたことが指摘されました。そのうち多くは翌年度でも使われずに不用になったり、さらに翌々年度に繰り越されたりしたとのことです。

これについて、加藤大臣は、補正予算は財政法上、特に緊要となった経費の支出に充てるために策定することが認められていると説明しました。2022年度の補正予算は、経済対策などに掲げられた施策を速やかに実行するため、特に緊要となった経費の支出について予算計上が行われたものであり、結果として繰越しや不用になったものもあることを認めました。

特に、新型コロナ対応のための施策については、感染状況が不透明な中で予算を計上したものがあり、地方自治体や事業者等からの申請が感染状況に左右されたため、結果として翌年度に執行を繰り越されたものや、新型コロナ感染症の5類移行に伴い、結果として不用になったものがあるとの見解を示しました。

財政当局としては、今後も各省庁に対して予算の厳正かつ効率的な執行を行うよう求めていくとともに、今回の検査院の指摘も踏まえ、今後の予算編成や執行に反映させていく考えを示しました。

北朝鮮問題への対応



北朝鮮のミサイル発射実験や核実験への準備について、加藤大臣は、政府として具体的な検討が進んでいるとは承知していないものの、これまでも外務省を通じて北朝鮮に対して厳しく抗議するとともに、国連の場等においても様々な対応がなされてきたことを説明しました。引き続き、こうした対応が取られていくものと認識していると述べました。

野村證券社員逮捕事件



野村證券の社員が強盗殺人未遂と放火の疑いで逮捕された事件について、加藤大臣は、個々の事案についてコメントすることは控えるとしながらも、野村證券が会社としての対応を公表したことを承知しており、その中で示された具体的な対応策がしっかりと実施されていくことが重要だと強調しました。金融庁としても、そうした対応がとられていくことを注視し、確認していく考えを示しました。

為替市場の動向



アメリカの大統領選でトランプ氏が勝利したことをきっかけに、円安ドル高がやや急ピッチで進んでいる状況について、加藤大臣は、為替市場の動向などについて具体的に言及することは、市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることから控えるとしつつも、現状の動きとして足元では一方的な、また急激な動きが見られることを認識していると述べました。

為替相場はファンダメンタルズを反映し、安定的に推移することが重要であるとし、政府としては投機的な動向も含め、為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとってまいりたいと考えていることを明らかにしました。

所得減税の議論



国民民主党が主張する所得減税について、加藤大臣は、自民党税制調査会等が対応していくことになるため、政府としてはそこで議論が行われていく様子を注視し、連携していくことを明らかにしました。

また、定額減税などの税制措置の効果については、検証しながら、次の税制改正につなげていくことが当然であると考えていることを述べました。

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