Codasipが新型RISC-VプロセッサのASIL-D認証を取得した背景
2025年10月1日、ドイツ・ミュンヘンにおいて、ヨーロッパのRISC-VリーダーであるCodasipは、その新たな高性能組み込みプロセッサコアであるCodasip L735とCodasip L739の2製品が、機能安全に関するTÜV SÜD認証を取得したと発表しました。これにより、これらのプロセッサは高度な安全性を要求される自動車産業において、安心して利用できることが証明されました。
取得した認証の仕事内容
L735はASIL-Bに基づく認証を、そしてL739はISO 26262規格で定義されているASIL-D自動車安全要求レベルまで認証を達成しています。これにより、両方のプロセッサIPが車載アプリケーションにおける機能安全の厳しい要件を満たしていることが示されており、これらのプロセッサは自動車のセキュリティと信頼性を強化する重要な要素となります。
この認証を得ることは、Codasipにとって重要な節目であり、同社の製品が複雑な自動車環境で求められる厳しい基準をクリアしていることを示しています。自動車開発におけるサイバーセキュリティの国際規格であるISO/SAE 21434にも準拠しており、コネクテッドカーの急増するセキュリティリスクに対処するための信頼性を提供します。
開発プロセスの信頼性
L735およびL739は、CodasipのIP開発プロセスがTÜV SÜDによって認定されたISO 26262とISO/SAE 21434に準拠していることを基に開発されています。これにより、Codasipの開発手法は安全性とサイバーセキュリティの要求に応えることが保証されています。両製品は、ハイエンド組み込みマイクロコントローラ向けに最適化されたマルチイシュー・インオーダー・マイクロアーキテクチャを搭載したCodasip 700ファミリに属しています。
L735にはエラー訂正コードやメモリ保護ユニットなどの安全メカニズムが装備されており、RISC-V RERIで標準化されたエラーレポーティングを行います。一方、L739はL735を基にしたデュアルコア・ロックステップ方式で、ASIL-Dの要件を達成しています。
Codasip Studioによる設計と進化
どちらのコアも、Codasipが提供するプロセッサ設計自動化ツールであるCodasip Studioを使用して設計されています。このツールは、単一のアーキテクチャ記述からハードウェアとソフトウェアの開発キットを生成し、認定可能なプロセッサの派生品開発を支援します。このアプローチにより、セキュリティ関連設計における一貫性とトレーサビリティが保証されています。
さらに、700ファミリはBoundedカスタムをサポートしており、クライアントは特定のワークロードに合わせてカスタム命令やアクセラレータを導入することができます。これにより、性能の調整と差別化が可能になり、よりニーズに応じたプロセッサが得られます。
また、両コアはCHERI化が可能で、さらに高いセキュリティを提供します。
Codasipの企業理念
Codasipは、システム・オン・チップ開発者が製品を競争力あるものにするためのプロセッサ技術を提供している企業です。オープンなRISC-V ISAの恩恵を受けることができるカスタムコンピュート製品を通じて、顧客は独自の技術を利用することができます。プロセッサ設計自動化ツールCodasip Studioと簡単にカスタマイズ可能なプロセッサIPシリーズ の組み合わせにより、完全なオープンアーキテクチャのライセンスモデルが実現されています。
Codasipはヨーロッパを拠点とし、世界中のお客様にサービスを提供し、すでに数十億台のデバイスに同社のテクノロジが活用されています。詳細は公式サイト(https://codasip.com/jp/)で確認してください。