SF作家・柞刈湯葉の初期名作が文庫として再登場
日本の若手SF作家、柞刈湯葉が2017年に発表した作品『重力アルケミック』が、2026年3月30日に新潮文庫nexから待ちに待った文庫化を果たします。この作品は、彼の代表作である『横浜駅SF』や『人間たちの話』にも通じる、理系大学生の青春を描いた物語です。
地球が膨張する世界観
物語の舞台は、重力をコントロールする“重素”が過剰に採掘されたことで膨張した地球、そこでは東京と大阪の距離が5000キロを超えるという異常事態が発生。そんな未来の2013年に、理工学部の重素工学科に入学した主人公の湯川航は、古書店で見つけた『飛行機理論』という本に心を奪われます。この本は、100年前に構想されたが実現しなかった重素を用いずに空を飛ぶ技術について解説されています。
挑戦と成長の物語
「飛行機を作ろう」と決意した湯川航の冒険が始まります。彼はある意味で、平凡な理系大学生に過ぎません。しかしその心のどこかに秘めた無謀な挑戦は、彼自身を成長させ、想像以上のスリルある体験を彼にもたらすでしょう。彼の成長物語を通じて、読者は飛行機にまつわる数々の挑戦、失敗、そして成功の瞬間を迫力ある筆致で体感することができるでしょう。
読書体験の新次元へ
この文庫版には新たに改訂された「あとがき」が追加され、著者の思いや作品への愛情がより一層伝わる内容となっています。柞刈湯葉の作品は、その独特の世界観と魅力的なキャラクターたちで、多くの読者をとりこにしています。彼の描く青春物語は、ただのフィクションではなく、読者それぞれに深い感動を与えるものです。
著者プロフィール
柞刈湯葉(いすかり・ゆば)は、福島県出身の小説家であり漫画原作者です。2016年に『横浜駅 SF』でカクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞し、作家としてのキャリアをスタート。彼の著書には、『未来職安』『人間たちの話』『まず牛を球とします。』『SF作家の地球旅行記』、そして最近の作品として『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』など多くがあります。彼はその独創的な発想と鮮やかな筆致で、SFの新境地を切り開いています。
『重力アルケミック』は単なる小説ではなく、挑戦し続ける勇気の結晶です。青春を感じたい人にとって、まさに見逃せない一冊となること間違いありません。是非、手に取ってその魅力を味わってみてください。