旭化成エンジニアリングが手掛けるCAEソリューションプラットフォーム
旭化成エンジニアリング株式会社は、クラウドを用いた新たなアプリケーション提供プラットフォーム「CAEソリューションプラットフォーム」を始めました。当社では、CAE(Computer Aided Engineering)技術を駆使して、製品設計やトラブル原因の解明などで役立てており、今回のサービス開始はその活動の一環です。
CAEとは?
CAEは、構造物の変形や流体の流れなど、物理現象をコンピュータ上で解析する技術です。例えば、自動車の設計において、衝突時の耐久性や流体の挙動を事前にシミュレーションすることが可能となります。これにより、物理的な試験を行う前に設計の改善点を見つけ、より良い製品を生み出す手助けをします。
クラウドHPCの優位性
今回の「CAEソリューションプラットフォーム」は、独自開発したアプリケーションをクラウドHPC(High Performance Computing)上で展開することで、全世界の顧客に高価値なソリューションを提供します。デジタル化の進展と共に、クラウドを用いたサービスの需要が高まる中、手軽に高性能なCAEツールを利用できる環境が整いました。
簡略化されたビジネスフロー
これまでの通常業務では煩雑な契約手続きが必要でしたが、今回のサービスにより、それが劇的に簡略化されます。利用規約に同意するだけで、サービスを直ちに利用開始できるため、迅速な意思決定が可能となります。ユーザーにとっては、ストレスのないビジネス利用体験を提供いたします。
取り扱うアプリケーションの特長
1. i-LUPE
その一つが「i-LUPE」です。これは高分子材料の破断予測モデルで、2014年から販売されている技術です。「i-LUPE」は高分子特有の微視的損傷形態、特にクレーズ現象を考慮したモデルを提供します。このモデルを使用することで、実際の材料破壊を高い精度で予測することができます。
例えば、高速で金属ストライカーを衝突させた際の挙動を精確にシミュレーションでき、従来のモデルと比較して驚異的な再現性を持っています。さらに、特定のFEMプログラムに組み込むことが可能で、利用者にとっても利便性が高い設計となっています。
2. Mapping Tool for i-LUPE
もう一つの新機能が「Mapping Tool for i-LUPE」です。これは異方性材料に特化したもので、樹脂流動解析で得られた繊維配向データを「i-LUPE」に組み込む際の助けとなるアプリです。このツールを活用することで、設計者はより最適な材料特性に基づいた設定を行うことができ、軽量化設計が可能になります。
環境への配慮
新たな技術により、製品の軽量化が進むことで、エネルギー効率が向上し、資源を有効に活用することが期待されます。これにより、環境負荷の削減にも寄与できると考えています。
まとめ
旭化成エンジニアリングは、今後も様々なCAE関連のソリューションをクラウドHPC上で展開し、多くの顧客にお役立ちできるよう努めます。2030年にはこのプラットフォームからの売上として、約2.5億円を目指し、さらなるサービス展開を計画しています。詳細は、公式サイトをご覧ください。
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