人口減少社会に対応する新たな都市像を探る
2025年10月、大分県別府市で行われたフィールドリサーチの結果を受けて、共同研究プロジェクト「Post Growth City Lab」(以下PGCL)が新たな報告書を公開しました。このプロジェクトは、人口減少時代において持続可能な都市や地域のあり方を模索することを目的としています。
PGCLとは何か
PGCLは、「これからの都市や街はどうあるべきか」という問いに対応するため設立されました。日鉄興和不動産株式会社の研究所と株式会社Zebras and Companyが協力し、街の持続可能性を高めるための取り組みを進めています。このプロジェクトでは、マクロリサーチとフィールドリサーチを組み合わせて、地域の課題や資源を探る手法が用いられています。
研究の目的と流れ
地域を「ブロック拠点」「ハブ拠点」「小さな拠点」と分け、それぞれに関連する要素を評価することで、持続可能な都市形成のための指標を見出す予定です。2026年11月までには5地域でのフィールドリサーチを行い、他の地域への展開を目指します。
別府に着目する理由
別府市はPGCL分析マトリックスにおいて、ハブ拠点および小さな拠点としての要素が豊富であり、そのため集中的な調査が選ばれました。別府の都市構造を分析することで、周辺のブロック拠点(大分市)との関係性も明確になり、都市間のダイナミズムを理解することができます。
フィールドリサーチの詳細
フィールドリサーチは2025年10月14日から15日の2日間にわたり行われ、別府市役所や立命館アジア太平洋大学、地域のNPOなど、さまざまな場所を訪れました。この調査の目的は地域の特性や資源を最大限に活用する方法を見出すことでした。
得られた3つの主な知見
1.
地域資源と産業のアップデート: 別府は単一の資源、温泉を基盤に観光や医療・福祉といった多層的な産業を育成してきました。特に、地域の人々や企業が連携し、新たな価値を創出していることが明るみになりました。
2.
挑戦の連鎖の設計: 複数の世代による挑戦が次々と引き継がれる構造が、地域の持続可能性を向上させる要因であることが確認されました。成功事例にとどまらず、挑戦が連鎖していくことが重要視されています。
3.
持続可能な都市への参加機会の提供: 障がい者雇用や国際学生の受け入れを促進するインフラが、地域の多様性を高めています。このような人材の参画が、地域の活性化に寄与しています。
未来への展望
2回目のフィールドリサーチは熊本市を中心に行われ、過去の調査結果をもとに新たな知見を得ることを目指します。この調査が不動産や事業開発における具体的な投資機会の創出に寄与することが期待されています。
結論
これらの結果をもとに、PGCLは別府市の持続可能な発展を実現するためのモデルを他地域にも展開する予定です。今後の調査を通じ、地域特性を活かした新しい都市づくりが進むことを願っています。